なかには舌打ちされるケースもあるようだが、それはごく一部。しかし、今から約7年前、ヨーロッパ行きの飛行機の中で中堅商社マンの米村誠也さん(仮名・49歳)が遭遇した現場は、そんな生易しいものではなかったようだ。




◆前の乗客がシートを倒そうとするのを許さない男
「見た感じは私と同世代。言葉や雰囲気からして台湾か香港の方だったと思います。仮にAさんとしますが、彼がシートを倒そうとした時のことです。後ろに座っていた20代くらいの日本人のBさんが突然、前のシートを何度も激しく叩いたんです」すでに機内食も片付けられ、照明も薄暗くなっており、彼らが座っていたエコノミークラスは完全にお休みモード。周りではほとんどの乗客がシートを倒していた。
Aさん、Bさんともに窓側3列シートの真ん中の席に座り、米村さんが座っていたのは通路を挟んだBさんの1列後方のシート。そのため、激しく叩いている様子がはっきりと見えたそうだ。
◆客室乗務員に注意を受けるも…
「私自身、出張で飛行機や新幹線を利用することは多いですけど、こんな人を見たのは初めてでした。座席を叩かれたAさんは何事かと思ったのかすぐに後ろを振り向きましたが、文句を言っていたのはなんと加害者であるBさん。はっきりと聞き取ることはできませんでしたが、おそらく『シート倒すな!』的なことを言っていたと思います」すると、Aさんは通りかかった外国人の女性客室乗務員を呼び、事情を説明。直後、彼女はBさんを注意したため、これで終わったかに思えたが状況はまったく変わらなかった。Aさんは再びシートを倒そうとしたが、若者は先ほどのように叩きはしなかったが足でシートを押し返し倒れないようにしたのだ。

