
マンションを買う際には、いざというときにいつでも売ってお金に換えられる、または貸せるという安心感を持つことが大切です。そのため、売るときに価格が下がってしまうマンションは選択肢から除外したいところですが、どのように見分ければいいのでしょうか。本稿では、後藤一仁氏による著書『中古マンション これからの買い方・売り方』(日本実業出版社)より一部抜粋・再編集して、売却価格が下がりやすいマンションの特徴を解説します。
「売るとき、価格が下がりやすいマンション」とは?
売るときに価格が下がってしまうマンションにはどのような特徴があるのでしょうか? なんとなく想像がつくと思いますが、次のようなマンションは価格が下がってしまう可能性があります。
都心から遠い駅にあるマンション、不人気沿線にあるマンション
都心まで遠く、乗車時間が長い駅はもちろんですが、合計乗車時間自体はそれほどでなくても、乗り換えが多かったりと交通が不便な駅や、駅やその周辺が栄えておらず商業施設に乏しい駅はあまり価値が高くありません。「自分の考える予算で買える広い面積の物件」を基準に選ぶと、そういう駅の物件に至ることがあります。
また、いろいろなお客様とお話ししていると、ときどき「特急に乗れば〇〇(乗り換えするターミナル駅)まで20分なので」という言葉を聞くことがあります。
電車の中吊り広告や、実際の募集図面などでそう書かれているのを目にすることも多いですが、「乗車時間」だけではなく、実際の「距離」でも考えてみることが大切です。
最近は鉄道の相互乗り入れなどにより通勤時間などが短縮される路線も増え、とくに特急や急行などがある路線などでは、時間が短くなることで近く感じられるのか、遠近を所要時間で判断する方も増えてきました。
しかし、乗車時間が同じでも特急などでは当然距離が違いますので、終電時刻も違いますし、そもそも終電に近い電車になると途中駅までしか行かないパターンもあります。終電に乗り遅れた場合、自宅までのタクシーの値段も違いますし、災害時などに限らず何らかの原因で電車が動かない場合、徒歩での帰宅が可能な距離かどうかは大きな問題です。
それならと同予算で検討できる同心円状の違うエリアを検討しようと思う方もいます。通勤先からの所要時間はほぼ同じでも、通勤以外の利便性、災害・治安面などの安全性、周辺の住環境、住民層や文化圏などがもともと検討していたエリアと全然違う場合がありますので、その点は検討時に注意しましょう。
