資産運用は「信頼関係」だけで決めてはいけない
田中さんはいま、「怒ってもお金は戻ってきません。私は銀行のカモだったんですね。長年の付き合いだった銀行に、こんな目に遭わされるとは……」と繰り返します。
しかし現実には、銀行や証券会社は“自社の利益”を第一に商品を提案してくるケースが多く、顧客一人ひとりの資産状況や目的に寄り添った提案は少ないのが実情です。だからこそ、「誰がいったか」ではなく、「なにを提案されているか」を見極めることが重要です。
田中さんのように、高齢者が老後資金を守るどころか大きく失ってしまうケースは後を絶ちません。特にこれからの人生設計を考えるうえでは、「なんのために」「どんなリスクまで許容できるのか」を、第三者と一緒に整理するプロセスが不可欠です。
星野 幸三
スターフィールド
代表
