銀座の地名の由来と歴史は、銀座の公式ホームページによると1603年に江戸幕府が開かれた際、徳川家康が駿府にあった銀貨鋳造所を現在の銀座2丁目に移し、新両替町と名付けた時から始まります。銀貨の鋳造を行う場所なので、銀座という呼び名が生まれ、それが地名として定着していったのです。
その後、明治時代には大火のせいもあり、防火性能が高い街にするため、明治政府によって街路整備計画とレンガを主材とする不燃性の洋風家屋の建築が行われ、それをきっかけに西欧風のおしゃれなレンガ街へと生まれ変わっていったのです。
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設計はイギリスの著名な建築家があたり、また日本初の鉄道が横浜と新橋間に開通されたため、新橋に隣接する銀座は西洋からの輸入品や新しい商品が入りやすく、それらを扱う店がどんどん増えていきました。西洋風の街並みに西洋文化を扱う街が出現したのです。こうして銀座はほかにはない洋風の街並みを楽しんだり、ウィンドーショッピングを楽しんだりする街としてにぎわうようになります。また、銀座に行くことが最新のトレンドにもなり“銀ブラ”を楽しむようになっていったのです。
私にも銀座の街との忘れられない思い出がいくつかあります。
幼少期、夜に外出するということはほとんどなかったのですが、ひと月に一晩だけ例外がありました。
父の職場が銀座だったため、ひと晩だけ、多分土曜日だったと思うのですが、両親につれられて銀座に行き、映画を観たり、「天賞堂」で鉄道模型を時間の許す限り見てまわり（当時私は、鉄道模型に夢中だったのです）、その後、家族で食事をするというものでした。もちろんその時、私が着ていくのは銀座の「サエグサ」の服でした。
二つ目は、中学・高校時代のことです。
『映画の友』という映画評論家の淀川長治さんが編集長を務めていた雑誌に「映画の友の会」という読者のための組織があり、ヨーロッパ、とくにフランス映画に夢中だった私は、学友と毎月「友の会」の集まりに参加し、淀川さんのお話を伺っていました。場所は松屋銀座の裏の王子製紙のビルでした。
大学生時代は、当時人気のあった「VAN」「JUN」というファッション・ブランドを買いに行ったのも銀座ソニービル地下の「Mr.Van」や、みゆき通りの「JUN」でした。レコードを購入するのは中央通りの「銀座十字屋」か「山野楽器」、洋雑誌は「イエナ」でした。現在、みゆき通りにある「シャネル」の店は当時「ジュリアン・ソレル」という名前の喫茶店で、買い物をした後、そこでコーヒーやグレナデンソーダを飲むのが楽しみでした。
関東大震災や戦争という困難を乗り越えて銀座が不死鳥のようによみがえり、現在に至るのは、地元の商店会の人たちの並々ならぬ努力と、銀座に対する愛情と誇りなのでしょう。今や銀座には世界中のラグジュアリーブランドの旗艦店が集結し、その流れは止まることがありません。最近では、通りを行きかう人たちの半数以上は外国からの方なのではないでしょうか。
以前、銀座並木通りにあった「サンモトヤマ」の茂登山長市郎会長に「世界でラグジュアリーブランドが出店しているのは、パリの『サン=トノーレ通り』、ミラノの『モンテ・ナポレオーネ通り』、ロンドンの『ボンド・ストリート』、ニューヨークの『マディソン・アベニュー』だけど、共通するのは道幅の狭さなんだよ」と教えていただいたことがあります。しかし、今や広々とした道の銀座の中央通りと晴海通りに、世界有数のブランドが進出しています。それはもはや日本の旗艦店と呼ぶよりは、アジアの旗艦店としてのたたずまいを漂わせています。また、その並びには銀座の老舗も現代の顔で堂々と店を構えています。
そんな銀座の街をさらに盛り上げるイベント「GINZA GILC NIGHT 2025」が11月15日から12月25日まで「銀座通連合会」と「GILC」（Ginza International Luxury Committee）の主催で開催されます。弊誌も今回からこのイベントを盛り上げるためのお手伝いをする機会を得たことを感謝するとともに、さらなる銀座の発展に貢献できればと思います。
＊「Ginza International Luxury Committee」とは銀座に旗艦店を持つ18の海外のラグジュアリーブランドの集まりのことです。
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2025年11月13日
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