いつまでも輝く女性に ranune
女子高生時代に“薬物に手を染めた”29歳女性の壮絶な半生「20歳の誕生日は、閉鎖病棟で迎えました」

女子高生時代に“薬物に手を染めた”29歳女性の壮絶な半生「20歳の誕生日は、閉鎖病棟で迎えました」

◆母親とは年に2回食事をする間柄に

ポンコツやよいさん
親にばれたときに二択を迫られるも、迷いはなかった
 SNSでいかに注目されても、どこか満たされない。空虚な気持ちの源泉は、どこにあるのか。

「母でしょうね。当時の私は、母に優しくしてもらいたかった。母から認められたかったし、抱きしめてほしかったなと思います。大人になったので、今は『人間として、母とは合わない』と理解ができるのですが」

 24歳で性風俗店勤務が親にばれ、「辞めるか、出ていくか」を迫られたやよいさんは、迷わず家を出た。その際、「この仕事に誇りを持っている」とまっすぐに伝えた。現在は年に2回ほど、母親と2人でご飯に行く程度の間柄だという。

「両親とは長時間一緒にいると、具合が悪くなってしまうんです。だから1回2時間程度と決めています。実家に帰ると長くなるため、実家には行かないようにしています。だから父にはしばらく会っていないですね」

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 取材の最後、やよいさんは言った。「この仕事は、続けられる限りやります」。仕事の内容は道徳や倫理からほど遠い。それでも、その澄んだ声を聞いたとき、幼少期からどこにも居場所を見いだせなかった彼女が、自ら帰る場所を見つけたのだと少し嬉しく思った。

<取材・文/黒島暁生>

【黒島暁生】
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
配信元: 日刊SPA!

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