◆秋以降の“失速傾向”を断ち切れるかが鍵
さらに戸崎騎手は秋に入ってやや調子を落としている点も気掛かりだ。今年は1月に13勝を挙げ、好スタートを切ると、春先まで横山武史騎手や坂井瑠星騎手、松山弘平騎手らと騎手リーディングの座を争っていた。さらに夏競馬の後半から、8月に17勝、9月に15勝と固め打ちを見せると、2位以下をやや離して、独走態勢に入った。
ところが、10月を5勝で終え失速。11月はこれまで4日間の開催で6勝とやや盛り返しているものの、猛然と追い込みを見せたルメール騎手に20勝以上あった差を逆転されてしまった。
9年ぶりの年間リーディングも見えていた戸崎騎手は、この悪い流れを断ち切れるか。人馬で少なくない困難の克服に挑戦するエリザベス女王杯が一つの試金石となる。鬼門・京都でG1制覇を遂げることはできるか。
文/中川大河
【中川大河】
競馬歴30年以上の競馬ライター。競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。競馬情報サイト「GJ」にて、過去に400本ほどの記事を執筆。

