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「出てくる話はほぼ実話」“信じすぎる原作者”と“信じない作画担当”──正反対の2人が作る異色オカルト漫画の裏側

「出てくる話はほぼ実話」“信じすぎる原作者”と“信じない作画担当”──正反対の2人が作る異色オカルト漫画の裏側

◆ふたりが「今死んだら後悔すること」は……

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──作品に登場する幽霊たちは、「性への未練」から成仏できずにいます。「セクシー女優と関係を持ちたかった」「セックスレスの夫が愛人をつくっていた」など、彼らの抱える未練はどのように生まれたのでしょうか。

角:幽霊たちの「性への未練」は、知人からの相談や過去の事例を参考に、悩みを持つ人がもし亡くなったらどんな後悔をするかを想像し、キャラクターに反映させています。

文野:幽霊だけでなく、冥衣ちゃんたち生きている人間の性の悩みもリアリティがあるので、読者に伝わりやすいキャラクター像を意識して作っています。角さんに「芸能人でいうと誰のイメージか」「服装はどんな系統か」など見た目のイメージを確認し、幽霊たちの造形に反映させています。

──「オカルトには懐疑派」という文野さんですが、登場する幽霊の「未練・後悔」に共感できる部分はありますか。

文野:AV女優の子の「本当はイケない」という悩みや、冥衣ちゃんの過去のトラウマは、すごく身近に感じます。他の人物にも共感できる部分があり、一見突飛なオカルト設定でも、心の部分にリアリティがあるのは角さんならではですね。

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角:担当編集者とも話しているのですが、普遍性のあるテーマや悩みを描く方が、面白く読んでもらえるのではないかと試行錯誤しています。

──おふたりが「今死んだら後悔すること」は何ですか。

角:特にないです!

文野:私は途中で頓挫してしまった企画を実現させたかったとかですかね。

(インタビュー後編では、キャラクター設定や昨今のオカルトブームをどう見ているかなど、さらに深掘りしていきます!)

写真/後藤 巧  取材・文/むらたえりか

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【作品紹介】
出版社勤めの地味OL・冥衣(めい)が左遷されたのは、社内で流刑地と呼ばれるオカルト雑誌編集部だった。
そこで出会ったのは、死後も“性の未練”に縛られた幽霊たち——。
突如現れた“エロ神さま”から使命を託された冥衣は、性の後悔を抱く霊たちを救う「トムライガール」として覚醒していく!
笑えて怖くて、そしてちょっとエロい。
“見える女”の目に映るのは、誰の心にも棲むエロと未練の亡霊——。

【著者プロフィール】
原作:角 由紀子(すみ ゆきこ)
1982年東京都生まれ。上智大学文学部を中退後、編集者として活動を開始。2013年にオカルト専門メディア「TOCANA」を立ち上げ、約8年間編集長を務める。映画やテレビ、ラジオの企画・出演も多数手がけ、近年はフリーランスのライター、オカルト研究家として活動。自身のYouTubeチャンネル「角由紀子のヤバイ帝国」は登録者数30万人超。主な編集本に『見つけてください』(横澤丈二著/徳間書店)、著書に『引き寄せの法則を全部やったら、効きすぎて人生バグりかけた話』(扶桑社)などがある。

作画:文野 紋(ふみの あや)
1996年神奈川県生まれ。2020年『月刊!スピリッツ』掲載の「君の曖昧」で商業誌デビュー。翌年『呪いと性春 文野紋短編集』を刊行し注目を集める。『月刊コミックビーム』で連載した『ミューズの真髄』(全3巻)は重版を重ねる人気作に。テレビ朝日「logirl」ではコラム「文野紋のドキュメンタリー日記」を連載するなど、多ジャンルで活動。X(旧Twitter)で約 7万人のフォロワーを擁する。

配信元: 日刊SPA!

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