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企業が“パパ活女子”を斡旋? 40代後半女性が口説かれまくる…80年代「愛人バンク」に源流を持つ「交際クラブ」の多様なニーズ

企業が“パパ活女子”を斡旋? 40代後半女性が口説かれまくる…80年代「愛人バンク」に源流を持つ「交際クラブ」の多様なニーズ

経済的援助を目的とした男性(パパ)と女性が交際する「パパ活」。近年の“ブーム”の裏で、1980年代の「愛人バンク」の流れを汲み、脈々と生き続けてきたのが、会員制の「交際クラブ」という“愛人・パパ活女子斡旋所”だ。

交際クラブは、ある程度の財力がある男性会員から紹介料を受け取り、デートをセッティングすることで利益を得ている。SNSやアプリと異なり、運営会社や生身のスタッフが間に入るため、身元の確かさと安心感がある点が特徴だ。

「風俗ではない」「自由恋愛」と強調されるものの、実際は性的な関係に発展することも想定されたシステムであると言える。

世間一般で「パパ活女子」と聞くと若い女性のイメージが先行しがちだが、交際クラブにはさまざまなニーズがあり、年齢や背景が異なる多様な女性が登録している。

本記事では、漫画家・ラブホテル評論家であり、かつて交際クラブのスタッフとして男女双方の会員の面接などを経験した日向琴子氏の著書『ルポ パパ活』(彩図社、2022年)より、40代後半の女性のリアルな事例を紹介し、特殊な市場が持つ需要と供給の深層に迫る。

※『ルポ パパ活』は著者の体験を元に記していますが、プライバシー保護の観点から人名、施設名などの一部を仮名にしてあります。

熟女AV女優のYさん

AV女優は企画、企画単体、どちらもいるが、男性会員からの食いつきがダントツで良かったのは熟女AV女優のYさん(47歳)である。

18歳以上であれば基本的に誰でもウェルカムな「S倶楽部」だが、一応、45歳以上の場合、社長からの通達で事前に写真を送ってもらうことにしている。

あまりにも生活感が漂い過ぎている女性の場合、登録してもお互い不幸になるだけなので、社長判断でお断りできるようにしているのだが、幸いなことにこれまでお断りした事例はない。

Yさんの場合も、事前に写真を送ってもらい、グラマーで非常に色っぽい熟女だったので、問題なく登録まで進んだ。ランクはG(※)で、お小遣いの額は4万円である。

※より適切なマッチングを行うため、登録女性にはM、G、Sのランクが付けられている。Sクラスには、その上にSS、SSSというランクが存在し、50万円以上の入会金と10万円以上の紹介料を支払った「特別VIP」の男性会員だけに紹介される。なお女性会員側には自分がどのランクに位置づけられているのか知らされない。

最初は全くお誘いが入らなかったのだが、1か月、2か月、と経つ頃にはポツポツとお誘いが入り、3か月経つ頃には頻繁にお誘いが入るので、スタッフ間で「なんで?」と話題になった。

面接を担当した森田がおもむろに口を開く。

「私、知らなかったんですけど、結構有名なAV女優みたいですよ。ハードな内容のもあるみたいで、こないだ、VIP会員の田中さんに教えてもらいました」

セッティングが週4ペースで続き、その後2か月ほどして「忙しすぎるからやめたい」と言われ、退会となってしまった。

無料結婚相談所と間違えて……? バツイチOL由紀子さん

同じく47歳といえば、婚活と間違えて入会した由紀子さんも印象的だ。

キャスターの大江麻理子さんに似た、上品でおっとりした感じの淑女で、一目で上質とわかるシルクのブラウスにベージュのタイトスカートを着こなし、手入れの行き届いたセミロングの髪がツヤツヤしている。

年齢よりも若く見え、エレガントなパンプスが良く似合う美脚だ。

鈴を転がすような声でコロコロと笑い、これは男性にもモテるだろうと思って話を聞いていたが、バツイチになって10年、なかなか出会いもないという。

私は面接しながら、こんな上司だったら仕事も楽しいだろうなぁ、と思わずデレデレしていたが、なるほど、確かに同じ会社にずっと勤めていたら、離婚歴が知れ渡っていたり、結婚していると思われて対象外にされたりして、新しい出会いはないのかもしれない。

すっかりファンになっていたので、応援したい気満々になったが、ここは交際クラブである。

じっくり話を聞いてみると、どうやら「無料で紹介してもらえる結婚相談所みたいなサービス」だと思って面接に来たようだった。

確かに男性会員には独身もいるが、8割以上が既婚者であり、愛人を探している人が大半である。

「結婚を前提としたお付き合いを申し込まれるというより、純粋に口説かれまくってしまうと思いますが、大丈夫ですか?」

飢えた猛獣だらけのサバンナに、ウサギをそっと置いて見守るようなものなので、心配になって聞いてみた。

「大丈夫です……」と、俯き加減に頷いた彼女の頬がポッと赤くなった。

私は察した。

結婚相手も探したいけど、今は、純粋に口説いてくれる男性も欲しいのだな、と。

結婚につながる真剣な出会いも欲しいけど、もう少し気軽なラブアフェアも楽しみたい、みたいな。ちょっぴりやんちゃな彼女の一面を垣間見た気がして、それ以上は何も言わず、登録の手続きを進めた。

案の定、お誘いはたくさん入ったが、2か月後、「やっぱり結婚相手を探すのは難しいですねぇ……」とため息混じりにつぶやいて、休会することになった。

配信元: 弁護士JP

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