
「ルールに縛られて息苦しい…そんなネガティブな印象も持たれるが、日本は世界的に見ても凄まじく恵まれた国」。そう語るのは、30歳目前でサラリーマン生活に終止符を打ち、現在は世界を旅しながら2児を育てる森翔吾氏。本記事では、森氏の著書『すべては「旅」からはじまった 世界を回って辿り着いた豊かなローコストライフ』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編。日本に生まれた幸運と理想の生活の実現について見ていきましょう。
世界中を旅するように仕事をしてわかったこと
世界の国々を旅しながら、輸入ビジネスやコンサルティングの仕事をしてきて、つくづく思うのは、「日本は凄まじいほど、恵まれた国」だということだ。
●餓死する人はいない。●世界各国の美味しい料理が食べられる。
●事件も少ないし、夜中に一人で出歩けるほど安全。
●どの街に行っても、清潔。
●マナーがよく、誠実、勤勉。
●インターネット環境も整っていて、便利。
もちろん、「日本はルールに縛られて息苦しい」と感じている人もいるかもしれない。しかし、日本を一歩出て海外へ行くと、ここまで魅力的な国はないと思う。
アジアや中東、ロシアなど、貧富の差が激しく、自国に仕事がない国々に生まれたら、生きていくだけで精一杯で、自分の好きな仕事さえ選ぶ自由がない。
でも、日本に生まれれば景気が悪くて給料が30年間上がらないとか、税金が高くて暮らしづらいとか言われつつ、なんだかんだ学生でも起業ができる。市場規模もそこそこ大きく、ネット環境も整っているので、ニッチなビジネスでも成功しやすい。
しかも、日本のパスポートがあれば世界193カ国にビザなしで入国できる。パスポートランキングは世界2位。国際的に信用があるのも、日本の特権だ。
これだけ恵まれた日本に生まれたのだから、「仕事がつまらない」「将来が不安」と嘆いているなら、海外へ目を向けてはどうだろう。海外はハードルが高いなら、日本でもいい、まだ自分の見たことのない世界へ、旅をしてほしい。
自分に合った生活を探す旅
僕は、ビジネス拡大路線ではなく「自分探しの旅」を選び、一つの土地に1カ月ほどステイしながら、どんな国が自分に合っているのか、楽しみながら探してきた。「ニューヨークに住むには、ドバイに住むには、いくら稼げばいいのか? 自分にできるだろうか?」とシミュレーションをしてきた。
僕には、ドバイで最高級のタワーマンションに住み、ポルシェに乗っている友人がいる。そんなセレブな生活をするには、最低でも年収3000万円が必要だ。もちろん、一時的ではなく継続的に。自分にできるだろうか?
シミュレーションしてみたが、100%無理。しかも、そのセレブな生活が自分に合っているかというと、100%不釣り合いだ。
サラリーマンを辞めて起業セミナーに通い始めた当初は、セミナーで聞いたことを鵜呑みにして、僕も「年収1億円を目指すぞ!」と無謀なことを言っていた。でもそれは所詮、絵に描いた餅なのだ。世界に出て実際に暮らしてみれば、自分にはどんな仕事や生活が合っているのかわかる。
バリバリ稼ぐのは性に合っていないとわかったうえで、僕が辿り着いたのは……
●プライベートとバランスを取りつつ真面目に働いて、年収600万円程度を得る。(当時のレートで5万ドルを想定)
●税金などを差し引いて、500万円前後の手取り。
●年間100万円程度で暮らせる、物価が安い場所に住む。
●日頃は節約生活をしつつ、趣味の「旅」用に年間100万円は確保。
●余った300万円を貯蓄し、投資に回して資産を築く。
こんなライフスタイルだ。起業するより、サラリーマンで出世したほうがいいという人もいると思う。物価が高くても大都市のタワマンに住み、高級車に乗っていたほうが、モチベーションが上がり仕事がはかどるという人もいると思う。
でも、僕のように、「あまりお金に執着心がなくスモールビジネスでいい、ゆとりをもって家族と楽しく暮らしたい」と考える人もいるのではないだろうか。
あなたの理想の生活とは、どんなスタイルだろうか? 収入は〇〇万円あって、どんな場所で、どんな広さの、どんな家に住んで、家族構成は〇〇で、どんな趣味を持って、年に〇回旅行をして……。
イメージしてほしい。そして理想を書き留めてほしい。理想の生活を実現することは、具体的な言葉にすることから始まるのだから。
森 翔吾
