効率的なセットアップの理想は「歯医者の診察台」。

パソコン、電子辞書、読みかけの文庫本、ノートにメモ帳、ぬいぐるみ。ラジオ、アンプ内蔵スピーカー。さらには卓上ルーペ、安定化電源に超小型コンピュータ。種々雑多なものが置かれているこの机の持ち主は、藤原麻里菜さん。「オンライン飲み会緊急脱出マシーン」や「怒ると勝手にひっくり返るちゃぶ台」をはじめ、“無駄づくり”と称してさまざまな工作を手がける発明家だ。仕事環境を自宅に持ってきて以降、生活は規則正しく、ルーティンに支えられるように。
「朝いち、ここでnoteを更新したら、駅前までコーヒーを買いに。図書館に行くことも。その後は昼食時以外、夕方までここで過ごすことが多いですね」

変化はアイデアが湧く方法にも。
「以前は机に向かって頑張って考えていたのですが、今は普通に生活しているなかで思いつくことが増えました。そのアイデアを実現する方法を、ここで調べて学び、ここで手を動かしながら制作します」
だからこそ「必要なものを全部セットアップしたい。すべてが効率的で、取りやすい位置にある、歯医者さんみたいな環境を目指しています」。それが工作、執筆や漫画描き、読書に語学の勉強もする藤原さんの必要に応える、理想のスタイルだ。
藤原麻里菜 Marina Fujiwara無駄づくり発明家
不必要なものをなんとかつくり上げる"無駄づくり"を中心に、実用と無用の間にある創造性をテーマに国内外で個展やワークショップ、執筆、教育活動を行う。最新刊に『メルカリで知らん子の絵を買う』(文藝春秋)。
photo : Yuka Uesawa text : Mick Nomura
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