◆新たな交友関係が更正のきっかけに
![人生を楽しくする[脳汁☆大放出]メソッド](https://assets.mama.aacdn.jp/contents/210/2025/11/1763277601507_6bvo6smd2ef.jpg?maxwidth=800)
「洗いざらい書いていたら、読者が少しずつ増え、やがて過去を否定せず話を聞いてくれる人が現れだしたんです。その読者のなかには当時勤めていたスナックに遊びに来てくれた人もいたりして、普通に接してくれた。刺激にとらわれない交友関係を築いていくうちに、『また手を出したらこの人たちを悲しませる。彼らに見合うようになろう』と思い始めて。また、息子の存在も大きかった。『長生きしてね』という言葉に救われて、改めて強く薬をやめようと決意しました」
今では講演会で自身の半生を語る彼女だが、依存から脱するために大きかったのは環境の変化。再び薬物に手を出しかねない“トリガー”になりそうな要因を徹底的に排除したという。
「今も後遺症でカフェインを摂ると、大量に汗をかいたり、ろれつが回らなくなったりする。だからなるべく刺激物を避けて生活をしています。それに、薬物依存の過去を包み隠さず話していると、まるで心が浄化されていくような快感を覚えることがあるんです。なんというか、自分の過去の汚点が誰かの役に立つと感じられることで、脳から別の種類のドーパミンが出ているのかもしれませんね(笑)」
◆80%の時点で満足できるようになった
最近の趣味は推し活とおいしいものを食べること。しかし「それもほどほどでいい」と竹田さんは語る。「なんでも100%を追い求めようとすると、次々と欲しくなって際限がなくなる。だから今は80%の時点で満足できるようになりましたね。そのためには過去を振り返り、自分を見つめ直す。すると、ごく普通の日常がこの上なく幸せに感じられるんです。今は何か特別なことをしなくても、生きてるだけで日々幸せなことがたくさんある」
刺激を追い求めた末に「足るを知る」境地に至った竹田さん。その壮絶体験には脳汁に溺れずに人生に生かすための教訓が詰まっている。
【経営者 竹田淳子さん】
1970年生まれ。壮絶な半生は漫画化や舞台化も。現在は出所した人を支える自立準備ホームの寮母や若者の悩みの相談役も務める
※週刊SPA!11/11発売号より
取材・文/週刊SPA!編集部
―[人生を楽しくする[脳汁☆大放出]メソッド]―

