美しい容姿を持ちながら、過去には体型の悩みが尽きず、摂食障害にも苦しんだ。高校時代のイジメ体験が人生に影を落としたと語る。私生活では、18歳でできた初めての彼氏と15年以上の交際を経て結婚。だが今年2月、衝撃ともいえる離婚劇を繰り広げた。曲がり角に差し掛かるバツイチ女さんの、紆余曲折に耳を傾けた。

◆父親からのモラハラは日常茶飯事
穏やかな語り口のなかに知性を感じさせる女性だ。鼻梁が美しく、華のある顔立ちをしている。バツイチ女さんは埼玉県に生まれ、歯科医師をする父親と主婦の母親、そして妹と暮らした。小学校低学年のころ、父親から言われた言葉に深く傷ついた。「そんなデブで、ブスで、馬鹿だったら、この先どうやって生きていくんだ」ーー小学校時代のバツイチ女さんは、確かに現在のスレンダーな姿とは遠い体型にあった。父親は、日常的にこうしたモラルハラスメントとも受け取れる発言を行っていたという。
「父は自分以外の家族を格下だと思っていた節があります。母から聞いた話では、結婚したばかりのときに『お前は俺より下なんだから、対等だと思うな』と言われたそうです。確かに、父は母が機嫌が良さそうにしていると、わざと怒らせたり傷つけたりしていました。
私に対してはあるときまで『医師になれ』と言っていましたが、今にして思えば、それは私のためではなく、世間体を考えての発言だったと思います」
◆公立中学を避け、名門女子校に入学するも…

食べることが好きで、体格が良かったバツイチさんには、小学校の同級生からも容赦ない言葉が浴びせられた。
「たとえば雲梯(うんてい)をやっていると、『マウンテンゴリラだ』みたいないじりのされ方は日常茶飯事でした」
そうしたイジメを苦にしたことと、父親の世間体を優先する方針が合致して、公立中学への進学を回避するために中学受験を選んだ。都内の名門中高一貫女子校に入学することになる。この頃、過度なダイエットによって体型はスリム化したものの、バツイチ女さんは摂食障害を引き起こしていた。学業成績はおおむね優秀。高校時代は学内に1クラスだけ存在する、学力選抜クラスへの入室を許可された。だがそこで、現在も時折思い出すほどの陰湿なイジメを受ける。
「頭の切れる人たちなので、受験勉強に関係ないものを全力でスキップする術に長けているんですよね。学園祭の実行委員は結構時間を取られるのですが、クラスの合議で、うまく私がやるように誘導されてしまいました。当時の私は摂食障害のため、入眠に問題があり、数日くらい寝られない日が続いたこともありました。あるとき、学園祭の話し合いの日にもかかわらず、私は日頃の睡眠不足から通学中に寝過ごしてしまったんです。遅刻してドアを開けたときの、独特の白眼視が忘れられません。それ以降、いないものとして扱われたり、さまざまな冷遇を受けることになり、17歳くらいで不登校になってしまいました。やがて、自殺を考えるまでになりました」

