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中小企業M&Aを食い物にする買収スキームの現実…ルシアン事件に見る制度の盲点【M&A弁護士が解説】

中小企業M&Aを食い物にする買収スキームの現実…ルシアン事件に見る制度の盲点【M&A弁護士が解説】

同様の手口による被害事例は多数存在

なお、今回のルシアン事件のように、M&Aを受けた後に経営放棄・資金流出が行われた事例はルシアンホールディングスの他にも多数確認されています。

ある関東地方の飲食チェーンでは、M&A後に仕入代金が未払となり従業員が次々に退職、実質的に閉鎖に追い込まれました。また、九州地方の建設会社でも、M&A直後に本社資産が売却され、数ヵ月で実態を喪失する事態に至っています。これらの事例は、いずれもルシアンホールディングスではない買収者による「ルシアン事件と同様のスキームを用いた実態なきM&A」として、関係機関により問題提起がなされています。

M&Aトラブルの新局面

M&Aは企業再生や事業承継の有力な手段とされてきました。しかし、本件により浮かび上がったのは、「M&A」という手法を用いながら、資金を不正に吸い上げるだけ吸い上げ、企業を倒産させるという新たな手口です。

このような事案は、いわば制度を逆用しており、金融庁・経済産業省なども現在、業界ルールの整備に向けて検討を開始しているとされています。特に、M&A仲介会社に対する行動規範や、買収者の資金確認義務などの制度設計は、今後の大きな論点となるでしょう。

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