
◆予約時間に来ない“遅刻客”に対する店側の苦悩
そのため、最近は一定時間を過ぎても来ない場合は、自動的にキャンセルとする店もある。松山晴紀さん(仮名・39歳)が勤める居酒屋チェーンも、そうした自動キャンセルを採用しているが、事前に遅れる旨の連絡などがあった場合は可能な範囲で対応している。ただし、なかには事前連絡もなしに大幅に遅れて来店する迷惑客も……。キャンセルとなったことを説明しても必ずしも納得してもらえるとは限らない。
「8名様のグループで金曜の夜7時から予約でしたが、時間になっても現れませんでした。10分過ぎた時点で申し込み時にご登録いただいた電話番号にかけてもダメ。メールアドレスもわかっていたので、そちら宛に『すでにご予約の時間が過ぎております』といった内容のメールを送りました。そして、自動キャンセルとなる30分が経ったため、もう一度電話とメールをしましたが、結局先方と連絡が取れなかったため、マニュアルに基づいてキャンセル扱いとしました」
ちなみに松山さんが勤める店では、よほどの大人数でもない限り、無断キャンセルされてもキャンセル料の請求は行っていない。
◆予約から1時間半後に突然来店…
予約席の札を外して他の客を案内したが、なんと夜8時20分に自動キャンセルとなったグループが何食わぬ顔して「予約した○○ですけど」と現れたのだ。しかし、対応したアルバイト店員が名前を聞いても、予約していたリストに名前が見当たらず、何時からの予約か確認すると、予約者本人と思われる20代半ばくらいの男性が「7時」とぶっきらぼうな口調で答えたとのこと。そこでキャンセル扱いになったことを告げた途端、騒ぎ始めたそうだ。
「私は本来、本部の人間なのですが、その日は人手が足りずに店長代理として入っていたんです。レジ前でウチのスタッフに詰め寄っている人がいて慌てて間に入りました。そこで、30分過ぎても来なかった場合はキャンセル扱いになること、その旨が申し込みのページにも明記されること、そして電話・メールをしても連絡が取れなかったことを伝えたのですが……」

