中国人が今「日本のトレンディドラマ」に熱狂するワケ。『東京ラブストーリー』『白線流し』…名作の聖地に観光客が殺到中

◆無断撮影や私有地侵入の懸念も捨てきれず

　一方、思わぬトラブルも。鎌倉では観光客が殺到し、私有地への無断侵入やゴミのポイ捨てなどが深刻な問題となっている。ドラマ型聖地巡礼でも今後、同様の懸念がある。

『東京ラブストーリー』のロケ地の一つ、松山市の観光国際交流課に確認すると「中国だけでなく、直行便がある台湾や韓国からの観光客も増えているが、現状ではオーバーツーリズムの問題はない」としたうえで、「公式観光サイトで中国語・韓国語対応を進めている」とのこと。

　現時点では外国人観光客の増加を前向きに受け止めているようだ。

　また、小紅書では『逃げ恥』『プロポーズ大作戦』『半沢直樹』など、2000年代ドラマのロケ地を訪ねる若者も増え、中には撮影に使われた私有地に侵入したり、現在も人が暮らす住宅の住所を晒したりする投稿も見受けられる。

　一方で『白線流し』のロケ地となった長野県の高校付近の住民に話を聞くと、「外国人の方が学校の周りで記念撮影しているのをよく見かけますが、今のところトラブルは聞きませんね」とのこと。

　とはいえ、部活動中の高校生を無断で撮影するケースもあり、モラルの問題は残る。

　新たな観光資源のポテンシャルを秘めた“日本ドラマ聖地巡礼”。観光公害を防ぐための行政の対応も重要になってくるかもしれない。

◆主な人気作品とロケ地

『東京ラブストーリー』（东京爱情故事）……愛媛県松山市、大洲市、東京都・代々木公園など

『ラブジェネレーション』（恋愛世紀）……東京都お台場など

『白線流し』（白线流）……長野県松本市内など

『ビーチボーイズ』（海滩男孩）……長野県松本市内など

取材・文・撮影／週刊SPA!編集部

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