◆ネット右派が思い描いた選挙歴を有する人
ーー小野田さんには以前から注目されていたそうですね。
ーー国会の切り抜き動画の流行については?
古谷:20年以上前から存在する文化ですが、今はさらに“コント化”が進んでいる印象です。多くの人はNHKの国会中継を見ているわけではなく、論戦でタジタジになっている野党の様子や、質問がちんぷんかんぷんな時など、面白おかしく編集したものを消費している。
政治的な関心が高くなったという意見も分からなくはないですが、一種のエンタメコンテンツというか、「また蓮舫が馬鹿なこと言った」みたいなノリに近い。
◆政治家はファンではなく監視の対象。国民との関係は“契約”
ーー日々、SNSで切り抜き動画を目にする状況下において、どういうリテラシーを持つべきでしょうか。古谷:まず、政治家はファンの対象ではなく、監視の対象です。
そもそも「政治に期待する」という言葉自体がおかしい。期待するのではなく、選挙で掲げた公約という“契約”を守ったか守らなかったかを審判するのが国民の役割です。民間企業との契約なら、顧客との契約を反故にしたら契約解除ですよね。政治だってそうです。
選挙の時に掲げた公約がどのくらい実行されたか、されなかったか。それは国民との「契約」であって、期待も何もない。審判しないといけない。本来は契約を実行したかどうかで見るべきです。
「喋りがかっこいいから」「スラッとしてんじゃん」といった印象だけで評価されているのは、民主主義の成熟という意味では非常に危うく感じます。「高市さんも寝ないで頑張ってくれてる」とか。いや、寝ないで頑張っても結果が全てです。契約通りにやっているかどうか。

