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能登半島地震後の自然と海の変化に向き合い、「学ぶ楽しさ」を育む海洋教育

豊かな海洋教育が受けられる――能登をそのモデルケースにしたい

「里海・里川復興教育プログラム」によって、能登の子どもたちに海の大切さ、そして復興の意義について伝える。そんな里海研の取り組みは少しずつ実を結び始めています。ここで最後に、主幹研究員の浦田さんに里海研が目指す未来像について伺います。

――能登里海教育研究所としての展望や目標を聞かせてください。

浦田:いまの能登は、少子高齢化がとても進んでいます。それが子どもたちの海離れにもつながってしまうんです。子どもが多かった時代は、近所のお兄さんお姉さんが小さな子たちを連れて、海で遊んでいました。ところがいまは、そういったお兄さんお姉さんたちとの交流や、そもそも人口自体が少なくなってしまったので、必然的に子どもたちが海へ遊びに行く機会も少なくなっている。それを補うためにも、学校の授業の中で海洋教育を行う意味は大きいと考えています。

また、能登は震災の影響で、若い世代の多くが外へ出て行ってしまった。能登の将来を担うキーパーソンである彼らが、この地を離れてしまっているんです。私はそんな現状に強い危機感を覚えていて、それを防ぐためにも、里海研を通して学校教育にアプローチしていきたいと考えています。

そのためにも、能登では非常に豊かな海洋教育が受けられることを証明したい。そうすれば、一度この地から離れた人がまた戻ってくるかもしれませんし、あるいは自然環境と密接につながる教育を求めて移住者がやってくるかもしれません。それが地域の持続性につながり、能登の復興や将来にもつながっていく。そんな未来を見据えて、里海研の活動を続けていきたいですね。

能登への思いと、里海研の未来像を語る浦田さん

「子どもたちが海に親しむ」ために、私たち一人ひとりにできること

能登半島に限らず、海に囲まれた日本という国で暮らす私たちにとって、海は大きな恵みをもたらしてくれるとても大切な存在。だからこそ、この国の将来を担う子どもたちの海離れは防がなければいけない問題です。その問題解決のために身近な大人や社会全体でできることはあるのか。浦田さん、佐藤さんに教えてもらいました。

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