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【50代のこよみ養生 Vol.44】秋分に多い“更年期のゆらぎ”をやわらげる、お手軽養生と薬膳食材

【50代のこよみ養生 Vol.44】秋分に多い“更年期のゆらぎ”をやわらげる、お手軽養生と薬膳食材

冷え、むくみ、頻尿などが見られるのは「陽の不足」タイプ

一方、陽の不足とは、体を温める熱エネルギー(=陽)が不足した状態のことで、冷えやすい、疲れやすい、むくみやすいなどの傾向がよく見られます。特に秋分の時期は、次のような不調が現れやすくなります。

・足腰の冷え
秋分以降は冷えやすくなりますが、特に更年期世代の場合は足腰の冷えが強くなります。まずはおなか、腰、足首を冷やさないように、腹巻きや靴下、レッグウォーマーなどを活用しましょう。下半身の血行をよくすることも重要なので、足首を回す、つま先立ちになってかかとを上げ下げする、腰を回すなどの運動もおすすめ。少しずつでいいのでできるだけ毎日続けることを意識してみましょう。そのほか、羊肉、えび、くるみ、栗などの陽を補う食材をよくとって。おすすめの薬膳食材はシナモンで、シナモンスティックをカレー、スープ、シチューなどを煮るときに加えると、体を温めて陽を補う薬膳となります。

・下半身のむくみ
陽が不足すると水分のめぐりが悪くなるため、むくみやすくなり、特に下半身のむくみが多くなります。冷えやだるさを伴うことも。胃腸の冷えは水分代謝の低下に直結するので、まずは冷たい飲食物をひかえめに。そしてしょうが、ねぎ、にらなどの体を温めて発汗を促す食材をよくとって、水分代謝を高めましょう。湯船につかって軽く汗をかくようにすることも、体内の余分な水分を発散してむくみの改善につながります。おすすめの薬膳食材は、水分のめぐりをよくするはと麦。ただしはと麦自体には体を温める性質がないので、しょうがを組み合わせるといいでしょう。はと麦しょうが茶や、はと麦しょうがスープなどのメニューがとり入れやすいです。

・頻尿、夜間頻尿
陽が不足すると膀胱の“尿を留める力”が弱くなり、頻尿や、夜間のトイレが多くなる夜間頻尿が多く見られるようになります。冷房などで腰回りを冷やしすぎることや、過労や夜ふかしなども膀胱機能の低下につながります。まずは、腰や下腹部を冷やさないように、腹巻きや腰回りをカバーする下着などを活用しましょう。黒豆、黒ごま、くるみ、栗などをよくとり、コーヒーや緑茶などの利尿作用のある飲み物はひかえめに。おすすめの薬膳食材は“尿を留める力”をサポートするはすの実で、おやつとしてそのまま食べられるものが市販されているほか、スープの具として煮込んだり、炊き込みごはんの具にしたりと、料理にもアレンジできます。

季節の節目は、心身の変化にも耳を傾けて。ゆらぎの季節も健やかに過ごしていきたいですね。

画像素材/PIXTA

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