◆コスプレは人生の幸福度を高めるためのツール

「同じ話をしていても話の食いつきが全然違うから『こんなに……?』って驚きました。男女共にです。ただ、モテだけを追い求めて垢抜けをすると、良縁も取りこぼしかねない。モテたければ、まず同性ウケを狙う。同性ウケがいいことで、より魅力的に見えてモテに繋がります」
また、プロ並みのメイク術について聞いてみると「僕の場合は実践よりも“分析”」だという。
「毎日メイク動画を見て研究はしていましたが、練習はしていません。とにかくメイクを分析して記号化して、自分の手で再構成するのを繰り返しました。
コスプレは、V系・地雷系・歌舞伎役者と、フォルダを分けて保存しています。パーツごとにテンプレを決めていて、複数それを組み合わせてるだけなので、色合いが変わるぐらいで道具は変わらないし、実はパーツ自体もそんなに変わるわけではないんです」
同じ涙袋でも考え方によってメイクの仕上がりは左右されるそうだ。
「たとえば、地雷メイクをしている子は涙袋を大きく描きますよね。それを『なんで?』と質問したときに、ただ『可愛いから』と答えることと、『これはこういう効果があるメイクだから可愛く見えるんだよね!』と説明できる子では、学習進度が違うんです。
数学と一緒。『なんでこの公式使うの?』って聞かれたときに、ただ『解き方だから』と答えることと、『この公式はこういう理由で適材適所』と説明できるかで、点数は全然違ってくる。まあ、僕も数学は苦手でしたけど(苦笑)。得意な人と苦手な人の差を考えたときに、そういうところだなって思いました」
最後にひやニキさんにとってコスプレとは?と問うと、こんな答えが返ってきた。
「コスプレを始めたことで、人との良い縁が生まれて、人にも何かを与えることができました。人との良い縁を繋いだり、人に良い影響を与えられる、人生の幸福度を高めるためのツールだと思っています。社会不適合でうまく生きていけないのが分かってるから、自分を見つけてもらって、ちょっとでもうまく生きていくための術を獲得できたのもコスプレのおかげですね」
まだまだ女性コスプレイヤーに比べて人口が少ない男性コスプレイヤーだが、ひやニキさんの勇気あるポストに勇気をもらった人は多いだろう——。
<取材・文/吉沢さりぃ>
―[ひやニキ]―
【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720

