いつまでも輝く女性に ranune
「月1回3時間」だけ外出許可…12歳から“塀の中”で暮らした少女がたどり着いた生き方「苦労には、すべて意味があります」

「月1回3時間」だけ外出許可…12歳から“塀の中”で暮らした少女がたどり着いた生き方「苦労には、すべて意味があります」

◆厳しい修道院生活で芽生えた“喜び”

川原マリアさん
——普通の10代でしたら、とても耐えられない生活に思えます。途中で辞めたくなりませんでしたか?

川原:ドロップアウトしてしまう子は何人もいました。多いのは、夏休みや冬休みで帰省したまま戻ってこないパターンです。家族からの手紙は検閲され、志願院の固定電話で話すときも監督のシスターがそばにいるため、本音では話せません。そんな環境なので、心が窮屈に感じることもありました。

そして私はなんとか18歳まで辞めずに切り抜けました。ただ、不思議なことに、年齢を重ねるうちに淡々とした厳しい生活にも慣れてきて、やがてそこに“喜び”を見いだせるようになっていきました。

◆シスターの道を選ばなかった“本当の理由”

——18歳になり、高校を卒業して本格的にシスターを目指す段階で、その道を選ばなかったのはなぜでしょうか?

川原:シスターになっても、社会に貢献するために職に就くことが求められます。ただ、許されているのは教師・看護師・介護士の3つだけでした。「どれかになりなさい」と言われても、どれにもなりたいと思えなかったんです。無理して選んでいたら、きっと苦しんでいたと思います。

自分は何をしたいのか——。そう考えたときに、「表現することで生きていきたい」という気持ちが芽生えました。姉がデザイナーだったこともあり、その道に惹かれたんです。でも、美大に進むお金もなかったので、まずは社会に出ることにしました。


配信元: 日刊SPA!

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