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東出昌大「クマを撃った!」駆除する猟師の本音

東出昌大「クマを撃った!」駆除する猟師の本音

◆報道を見て「熊憎し」と思う原因

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熊の大好物の柿
最後に、害獣と呼ばれる熊を殺し、鹿を殺し、猪を殺し、ハクビシンやカラスを殺して来た一猟師の私から、読者様に何かお伝え出来るメッセージがあるとすれば、出来る限り「食べ物を残して欲しくない」ということです。

田畑を荒らす動物は「有害鳥獣駆除」の名のもとに殺されていますが、もしかしたら、あの時ちょっと色が悪くなってたからゴミ箱に捨てたあの桃は、私が殺したあの熊が一口食べたかった桃かも知れません。

全ての問題はやはり絡み合っていると考えています。だから、熊の出没しない都市で生活を送りながら報道を見て「熊憎し」と声高に叫びたくなる衝動の原因は、熊が人を襲うことだけではなくて、生活に飽きていて、目の前にある少し傷んだ桃を当たり前にポイと捨ててしまえる飽食の精神状態に、鬱屈した感情をぶつる対象を探している無味乾燥な日常に潜んでいるのかも知れないなと、これも独断と偏見ながら、私は想像したりします。

相変わらず何を言いたい話なのか私自身も分かりませんが、最後まで読んで下さいましてありがとうございました。

来月の中旬にはほとんどの熊が冬眠を始めます。1年間を72に分けた暦の呼び方では12月12〜16日の頃を『熊蟄穴(くまあなにこもる)』と呼ぶそうな。

そうすればメディアは、また次のホットな話題を持ちかけてくれるでしょう。

冬眠まで、人間と熊の衝突が一件でも少ないことを願います。

<文/東出昌大>

―[誰が為にか書く~北関東の山の上から~]―

【東出昌大】
1988年、埼玉県生まれ。’04年「第19回メンズノンノ専属モデルオーディション」でグランプリを獲得。’12年、映画『桐島、部活やめるってよ』で俳優デビュー。現在は北関東の山間部で狩猟生活をしながら役者業をしている
配信元: 日刊SPA!

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