◆普通のことができない自分「毎日同じ時間に同じ場所に出社するのが難しい」
「24時間、365日の交代制で昼夜関係ない仕事でした。僕は自律神経が弱いので、大変でした。最後に入った会社に関しては、朝8時から23時まで勤務していて、適応障害になってしまいました」
だが、その期間も無駄にするまいと、傷病手当をもらいながら、独学でコピーライティングを学び、手当が切れる頃にはマーケティングの会社に入社したひやニキさんだったが……。
「数年働きましたが、やっぱり通いがキツい。毎日同じ時間に同じ場所に行くっていう“普通”のことが、僕にとってはすごくしんどいことで。ただ、勤怠は悪いのに、仕事で結果は出せるんです(苦笑)。広告のクリックが倍になるとか。だから『君は能力と勤怠のアンバランスさがもったいない』とよく言われていました」
結局、フル出社やフルリモートより半出社・半リモートが適していたため、現在はフリーで独立してから3年が経った。
「今でも『普通に出勤できれば稼げるのに』と言っていただくこともありますが、自分のできること、できないことを擦り合わせて、なんとか踏ん張っているところです」

「コスプレ関連の案件は基本出演者の共演NGはありません。仕事である以上当然ですし、過去喧嘩したことがあっても縁に変わりないので。あとはコスプレだけでなく垢抜けのコンテンツもやっていきたいです。Webマーケティングの仕事をしているので、自分がモデルをする以外のこともできます。男性のコスプレイヤー自体がニッチなので、案件を獲得するのは難しいというのはわかっていますが、どこかいい事務所さんと出合えたら、そこに所属して、さらに活動範囲を広げていきたいとも考えています」
◆自分の生きやすい場所を探して…

「他人との比較よりも前の自分と比べるのが大事。他人の意見を認められない人は、自分の意見も認めてもらえない。たとえ今がマイナス100点だったとしても、0点になったら成長したということです。まずは自分を認めてあげることが何よりも大事だと思います。
日本はいまだに60点を常に出せるようなゼネラリストが重宝される。そんな中、ひとつのことだけ突出してできるスペシャリストは生きにくい傾向にある。ただ、自分のできること、できないことをしっかり整理して、生きやすい場所を模索していけば、きっと明るい未来があると信じています」
<取材・文/吉沢さりぃ>
―[ひやニキ]―
【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720

