一方で、猟銃は厳しい規制にさらされています。猛獣被害という住環境の変化で、強化一辺倒の風潮も変わるのでしょうか。

◆ミロクってどんな会社?
ミロクは独自ブランドのほか、アメリカの有名な銃器メーカーであるブローニングやウィンチェスターのライセンス生産を手がけています。散弾銃からライフル銃までの製造販売を行なう珍しい日本の会社です。2025年10月期は21.4%の増収を計画中。前期は売上が1割近く減って109億円まで下がったものの、今期は132億円まで回復。5億円の営業赤字から1億円の営業黒字に転換する見込みです。
原材料の高騰はあるものの、価格転嫁が進んで付加価値の高い製品の販売に成功。ミロクの高い技術力が評価されている様子がわかります。
◆「火力が高い銃」の売上が2四半期連続で10億円を突破
今期は2四半期連続で、ボルトアクションライフルの四半期の売上が10億円を上回りました。2023年10月期から振り返っても、四半期のボルトアクション売上が10億円を超えたことはありませんでした。底堅い需要を読み取ることができます。ボルトアクションライフルは散弾銃などと比べて火力が高く、クマやイノシシ、シカなどの大物猟で使用されます。
日本ではライフル銃の所持は厳しく制限されており、散弾銃を10年以上所持していることが求められます。ミロクは海外でも銃を販売しているため、伸びているのはアメリカを中心とした海外市場でしょう。
しかし、クマの出没が頻発したことを受け、一部地域では警察官がライフル銃をクマ駆除でも使えるようになりました。中長期的には国内需要が高まる可能性もあります。

