5.2階にトイレを増設する際の注意点
2階のトイレ増設を成功させ、後悔しないリフォームにするために、計画前に確認しておくべき重要な4つのポイントを解説します。
5-1.配管の位置や間取りによっては設置が難しい場合がある
すべての住宅で2階トイレの増設が可能というわけではありません。建物自体の老朽化している場合や既存の給排水管から距離が遠い場合、配管を通すルートに梁や構造壁がある場合などには、2階のトイレ増設が難しい場合があります。
5-2.設置場所に気を付ける
トイレの設置場所は、安全性と快適性の両面から慎重に選びましょう。
たとえば、階段付近への設置であれば、ドアを開閉する際の転落のリスクが考えられます。ほかにも、寝室やリビング付近への設置は、においや音が気になる可能性も。
このような場所への設置をお考えの際は、ドアを引き戸にする、消臭機能を高める、防音材を入れるなどの対策をあわせて検討しましょう。
5-3.工事中の生活への影響を事前に確認する
工事中は、工具による騒音や壁や床を削る際の振動などが発生します。加えて、工事期間中は工事箇所周辺に立ち入れなかったり、通路が狭くなったりなど生活動線が制限されることもあります。
そのため、事前に業者と工事スケジュールや工事範囲などを確認し、生活への影響を最小限にする計画を立てましょう。
また、配管工事の内容によっては、1階の既存トイレが一時的に使用できなくなることも。前もって使用できない時間帯を確認し、その場合の対応を考えておくことが大切です。
5-4.建築確認申請が必要なケースもある
2階にトイレを増設する際、基本的に増築を伴わない工事であれば建築確認申請は不要です。しかし、以下の増築となるケースでは申請の必要があります。
防火地域や準防火地域に指定されている地域で増築を伴う場合
防火・準防火地域以外の地域で、増築する床面積の合計が10㎡を超える場合
建築確認申請が必要かどうかの判断は、お住まいの地域や建物の構造、リフォームの規模によって変わります。必ず施工業者に確認しましょう。
申請が必要な場合は、通常は施工を依頼するリフォーム会社や建築士が申請を行います。まずは専門知識を持つ業者に相談し、法令を守った安全なリフォームを進めることが大切です。
6.2階にトイレを増設した事例3選
ここからは、2階へトイレを増設した施工例をご紹介します。
6-1.洋間の一部を利用し2階へトイレを増設
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家全体のリフォームに合わせて、2階に新しくトイレをつくった事例です。
大幅な間取り変更をする際に、廊下に隣接する洋間の一部にトイレ用のスペースを確保。1階のトイレの真上に近いため、配管の長さも短く済みました。
ドアは、階段の転落リスクも減らせる引き戸にしたため安心感もあります。
2階にある2部屋のどちらからもアクセスしやすい、使い勝手の良いトイレが誕生しました。
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/411
6-2.2階の押し入れスペースにトイレを増設
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中古住宅購入にともない、家全体をリフォームし、2階にトイレを増設した事例です。
元は押し入れだった箇所に、トイレスペースをつくりました。
補助金もしっかりと活用。お得に、快適な住まいに生まれ変わりました。
出典:有限会社米倉商店
6-3.二世帯住宅リフォームにともなう2階へのトイレ増設
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築46年の住まいを二世帯住宅にリフォームする際に、2階の子世帯用にトイレを新設した事例です。元々洋間だったスペースの一部を利用して、トイレ空間を確保しました。
限られたスペースでも設置できる壁掛け手洗い器は、一緒に暮らす愛猫のお水交換時にも役立ちます。
出典:株式会社山口建設

