
すっかりぬか漬けにハマってしまいました。きっかけは、最新号「料理好きの台所」。暮らし家・塩山奈央さんの台所に取材に伺い、贅沢なぬか漬けランチをご馳走になりました。
きっと人生で食べたことはあるんだろうけど、どうやって出来あがるのか、どんな味なのか、正直ピンときていなかったぬか漬け。いざ実食してみると、酸味、塩味、旨みに少しの爽やかさも感じられて、言葉で表現するのが難しいほどの複雑な味わいがクセになるおいしさ! 完成までに時間がかかるものだと思っていましたが、前日の夜に漬ければ、翌日の朝にはもう食べられるという気軽さにも背中を押され、さっそくぬか漬け生活を初めてみました。

まずはお試しで、〈無印良品〉の「発酵ぬかどこ」をゲット。チャック付きの袋にあらかじめ発酵させたぬかが入っているので、そのまま中に具材を入れるだけで、簡単にぬか漬けが作れます。使ったのは、大根、きゅうり、パプリカ、さつまいも、アボカド。野菜によって漬かりやすさが異なるので、細かく切ったり、皮を剥いたりして調節してあげることが大切なんだそう。こうして下準備をした野菜たちをぬかにつけて冷蔵庫で寝かすこと数時間……。あっという間においしいぬか漬けの完成です。

大根やきゅうりなどの定番はもちろん、パプリカ、アボカドなどの西洋野菜も、食べ慣れたものとはまた違った味わいに。さつまいもは下茹でが必要ですが、本来の甘みとぬか漬けならではの塩気のバランスが絶妙です。もし作りすぎてしまっても、下味のついた食材として肉巻きなどにすればおかずにもなるし、細かく刻んでオイルにつければ、食べるソースにも。アレンジの幅も想像以上で、ここに「ぬか床を育てる」楽しさが加わるとなると、しばらくはぬか漬けの沼から抜け出せそうにありません。
本誌では、ぬか漬けについてはもちろん、まるでぬか床を愛でるように、自らの手で大切に育ててきた塩山さんの台所についても紹介しています。ぜひ、手に取ってチェックしてみてくださいね。
(編集MH)

COOKING LOVERS’ KITCHENS / 料理好きの台所。&Premium No. 145
かつて住まいの裏方であった台所は、いまや家づくりの軸となる、暮らしの中心にある存在になりつつあります。いい台所は、使い勝手のいい台所。使う人が自分自身の勝手にあわせて工夫をするのです。そして自分の勝手というのは、繰り返し料理をする中ではじめて見えてくるものですから、心地のよい台所の持ち主は、すなわち 料理好きであるといえるのではないでしょうか。今号の特集は「料理好きの台所」。手をかけ、使い込んだ台所からは、その人が楽しげに腕を振るう姿や、豊かな食卓や暮らしそのものが透けて見えるようです。すべてのものを取り出しやすくしている人、スッキリ何もない空間で料理に励む人、菜箸や布巾ひとつまでこだわって選ぶ人。工夫とアイデアに溢れ、すみずみにまで目の行き届いた、16組の料理好きのみなさんの台所を拝見します。
andpremium.jp/book/premium-no-145

