例年通り、トリを飾ったのは両リーグのMVPの発表。文字通りMost Valuable Player(最優秀選手)に贈られる賞だ。
◆大谷は3年連続4度目の満票受賞
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ア・リーグは、予想通りアーロン・ジャッジ(ヤンキース)とカル・ローリー(マリナーズ)の一騎打ちだった。記者30人中17人の1位票を獲得したのはジャッジで、同13人のローリーを抑えて2年連続3度目の受賞。捕手ながら60本塁打を放ったローリーを推す声も少なくなかったが、打率なども含めた総合力でジャッジがローリーを退ける形となった。
ア・リーグが僅差の決着となった一方で、文句なしの満票MVPに輝いたのがナ・リーグの大谷翔平(ドジャース)だ。30人の記者全員が大谷に1位票を投じ、2位カイル・シュワーバー、3位フアン・ソトを寄せ付けず、大谷は3年連続・通算4度目の受賞で、そのすべてが満票という前代未聞の記録となった。
SNSなどでは、大谷の“満票受賞”に納得の声が多く上がったが、それも当然だろう。近年、MVPの投票で重要視されている「WAR」という指標において、大谷は2位以下を大きく突き放していたからだ。
打者だけの数値でもナ・リーグトップクラスだったが、それに投手としての成績も加算されれば、大谷を2位で投じる理由は一つもないといったところだろう。
◆選手間投票ではシュワーバーが選出
一方で、今年は大谷以外の選手に1位票を投じる記者がいてもおかしくないという予想も少なからずあった。その理由が、10月に行われた選手間の投票で選ぶナ・リーグの最優秀野手「アウトスタンディング・プレーヤー」に、シュワーバーが選出されていたからだ。シュワーバーは今季、フィリーズの2番打者として56本塁打、132打点をマーク。本塁打部門は1本差で大谷に競り勝ち、打点部門でも2位のピート・アロンゾ(メッツ)に6点差をつけ、2冠王に輝いた。
低打率(.240)とDH専任だったことがネックとされていたが、チームメートやライバル選手らは大谷ではなく、シュワーバーを上に評価した。

