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【50代のこよみ養生 Vol.39】見逃すと危険!?晩夏に起こりやすい“意外な不調”とは

【50代のこよみ養生 Vol.39】見逃すと危険!?晩夏に起こりやすい“意外な不調”とは

毎日毎日、朝から晩まで蒸し暑いですね。
この不快指数がMAXになる時期に起こりやすい“意外な不調”をご存知でしょうか?
今回は、熱中症や夏バテだけじゃない、晩夏に起こりやすい隠れた不調とその養生法をご紹介します。

体の中で火事が起こる!?「心火上炎(しんかじょうえん)」による口内炎

毎日危険な暑さが続いていますね。こよみの上でも、7月28日~8月1日は七十二候(しちじゅうにこう)「土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)」という時期。「湿った地面から熱気が立ち上って蒸し暑くなる」という意味で、その名の通り気象学的にもこの時期が1年で最も蒸し暑くなります。

蒸し暑さによる不調というと、目下気になるのは熱中症や夏バテ。しかしこうした目立つ不調に隠れて発生する、晩夏の意外な不調があるのです。

そのひとつが口内炎。「炎」の字がつく通り炎症であり、その原因は体内にたまった余分な熱です。夏は暑さによって心拍数が高くなって五臓心(しん≒心臓の働き)に熱が生まれやすく、その熱が頭部に上昇して口の中や舌などに炎症をもたらす場合があり、これを東洋医学では「心火上炎(しんかじょうえん)」と呼んでいます。「心火」とは心にたまった過剰な熱のことで、心火上炎とは心の熱が火事のように立ち昇り、火が上に燃え移るかのように頭部に熱が波及する状態。もちろん本当に火が生じているわけではなく、それぐらい強い熱が生まれているということで、特に高温多湿で熱が体内にこもりやすいこの時期は心火上炎が起こりやすいのです。

なお、心火上炎の状態になると、イライラして落ち着かない、不眠、顔が赤い、熱感などの不調も現れやすくなります。こうした心火上炎を予防するのにおすすめなのはすいかです。すいかには心の熱を冷まし、利尿作用で余分な熱を排出する薬膳効果が期待でき、口内炎、のどの渇き、のどのはれ・痛み、暑さによるイライラ、熱感などをやわらげます。

笑い出したら止まらない“ゲラ”も暑さが原因?

東洋医学の基本理論のひとつである「五行説(ごぎょうせつ)」では、夏は5つの感情(怒・喜・思・悲・恐)のうち「喜」が強くなる季節とされています。そのため夏は喜び笑って過ごすことが養生になると考えられていますが、半面、暑さで浮かれすぎて喜びの感情が過剰にならないように注意すべきだとも言われています。例えば、ちょっとしたことですぐに笑い出してしまい、笑いが止まらなくなるような状態は、暑さで心が水分不足になっている「心陰虚(しんいんきょ)」のサインかもしれません。

心は全身に血液をめぐらせるために常にポンプのように拍動しつづけているため、熱がたまりやすく、特に夏は熱が過剰になりやすいとき。そのため、熱くなったエンジンを冷ますラジエーター(冷却水)のように、過剰になった心の熱を冷ます水分=「心陰(しんいん)」が欠かせません。

しかし、汗のかきすぎで心陰が不足した心陰虚になると、心の熱が過剰になって精神が興奮状態になり、笑い出したら止まらなくなる場合があるのです。心陰虚の場合、そのほかに不眠、夢をよく見る、寝汗をかく、手足がほてる、落ち着きがなくなるなどの不調も見られる傾向があります。よく笑うことはいいことですが、異常に笑いすぎてしまうようなときは、心陰を補って精神を安定させるたまごかきをよくとって心陰虚の予防をするといいでしょう。

また、内くるぶしの頂点から指4本分上に上がったところにある三陰交(さんいんこう)のツボをこまめに押すことも、心陰虚をやわらげる効果が期待できるのでおすすめです。

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