◆「人気順別勝ち馬頭数」のデータから分析すると…
では、3強の残る2頭、アスコリピチェーノとソウルラッシュはどうか。過去10年の人気別成績を見ると、2番人気は【0-4-1-5】と勝ち切れてはいないが、複勝率は50%に達する。また、3番人気も【2-3-0-5】の好成績で、【2-1-1-6】の1番人気に比べても、2~3番人気の馬の方がより安定した走りを見せている。ただし、1984年の第1回から通算の人気順別勝ち馬頭数を見ると様相が変わってくる。近年やや不振の1番人気は14勝と抜けているのに対し、2番人気と3番人気はそれぞれ3勝ずつと、一気にその数が減る。8勝の4番人気と4勝の5番人気よりも勝ち馬頭数は少ない。
2番人気を争うとみられるアスコリピチェーノとソウルラッシュだが、前者は6着に敗れた海外遠征帰り。連覇を狙うソウルラッシュにしても、富士Sから望むローテーションは昨年と変わらないものの、骨折休養明けの2戦目で中間の調整過程がいつもの坂路中心からCウッド中心に変わっている点も気掛かりだ。レース史上、2~3番人気は勝ち切れていないデータ的にも決して安泰とはいえないだろう。
◆“死に枠”は2番と3番…注目される3強の枠順は?
また、マイルCSにおいて、鬼門となっているのが馬番の「2」と「3」だ。3番ゲートの馬が制したのは第1回(1984年)と第2回(1985年)のニホンピロウイナーのみで、目下39連敗中。2番ゲートに至っては【0-2-1-38】と全く振るわず、昨年も1番人気のブレイディヴェーグが4着に敗れている。もし上位人気馬が2つの“死に枠”に入るようなら、3強総崩れの異常事態もあり得るかもしれない。かなりジンクスめいた不安要素ではあるが、マイルCSは時に大波乱が起きるレースでもある。
過去3年は4番人気以下から最低2頭は馬券に絡んでいて、3連単の配当はいずれも10万円を超えている。かつては1番人気の馬が圧倒的な強さを誇っていたが、近年は波乱含みのレースという認識が定着している。

