◆穴馬候補の「今年低迷している馬」
そこで、3強以外から穴馬候補として2頭の名前を挙げておきたい。1頭目は、昨年のオークスと秋華賞を制したチェルヴィニアだ。1年前のジャパンCで4着に入ったように、牡馬相手でも互角に戦える実力の持ち主。ただし、今年に入ってからは、京都記念9着、前走の毎日王冠7着などやや低調なのも事実である。
しかし、父のハービンジャー産駒はマイルCSと相性が良く、【2-1-1-4】の好成績。京都開催に限れば、【2-1-1-2】と複勝率は66.7%にも上る。チェルヴィニアにとっても京都は秋華賞を制した舞台。一変があるならここしかないだろう。
◆7歳で全盛期?ロングランが波乱を呼ぶか
そしてもう1頭、特注穴馬に指名したいのがロングランだ。こちらは今回と同じ舞台で行われた春のマイラーズCを好タイムで優勝している。7歳となった今年に入ってから重賞2勝と、衰えるどころか今が全盛期。近2走は安田記念13着、毎日王冠8着と惨敗しているが、どちらも苦手としている左回りコースだった。
また、父ヴィクトワールピサの産駒は、京都の芝1600m(外回り)にめっぽう強く、45戦8勝。勝率17.8%は、産駒が40回以上走っている全79頭の種牡馬の中で堂々の1位である。
鞍上を務める岩田康誠騎手も同コースを得意としており、過去に2度マイルCSで伏兵馬を勝たせている(2010年エーシンフォワード13番人気1着、2014年ダノンシャーク8番人気1着)。
あっさり3強が上位を独占してもおかしくない今年のマイルCSだが、チェルヴィニアとロングランには目を光らせておいて損はないだろう。
文/中川大河
【中川大河】
競馬歴30年以上の競馬ライター。競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。競馬情報サイト「GJ」にて、過去に400本ほどの記事を執筆。

