◆不幸が重なっても“バカポジティブ”でいられる秘訣

松丘:僕がピン芸人でやっている時に、ヒロシさんも僕と組んでM-1に出たかったけれど、デスノートだと思ってやめたらしいです(笑)。赤プルと結婚が決まった時に、芸人の先輩たちが真顔で「赤プル、死ぬなよ」って言ったんです。僕は「いやいや。僕はそういうのじゃないですから」って返したら、「本当に死ぬなよ」って念を押されて。これはマジだなって思いました。

松丘:基本的にプラス思考なんです。相方が捕まった時は、本当に落ち込みました。でも、気持ちを切り替えるのが得意なんですよね。考え方がアホみたいに前向きなので、さまぁ~ず大竹さんからはバカポジティブって言われています。芸人を続けているのも、やっぱりお客さんがいっぱい笑ってくれた経験が大きかった。
――だんな松丘さんにとって、お笑いが天職なのですね。
松丘:人を笑わせるのが好きなんでしょうね。不幸な話ってつらいけれど、芸人はあとでネタにできる。さすがに相方が亡くなった時はつらかったけれど。3日くらいで立ち直って、4日目には笑顔になっていましたね。
――どのようにすれば、バカポジティブでいられますか?
松丘:僕が明るいのは、周りの人たちのおかげなんですよ。自分が明るく振舞っていると、周りの人たちも気を遣わずにいてくれる。ずっとふさぎ込んでいると、声をかけづらいじゃないですか。嘘でも笑顔でニコニコしていれば、「大丈夫?」って聞かれる。そういうのがコミュニケーションで大事なんじゃないですかね。だから笑顔でいるようしています。
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笑いを交えながらも、自身のつらい過去を語ってくれただんな松丘さん。さまざまな経験をしたからこそ、バカポジティブという武器を手に入れられたのかもしれない。

<取材・文/池守りぜね、撮影/藤井厚年>
―[だんな松丘(松丘慎吾)]―
【池守りぜね】
出版社やWeb媒体の編集者を経て、フリーライターに。趣味はプロレス観戦。ライブハウスに通い続けて四半世紀以上。家族で音楽フェスに行くのが幸せ。X(旧Twitter):@rizeneration

