「守る」から「動かす」へ…会社を再生させた逆転劇
資金繰りの限界がみえたとき、 佐久間社長が最初に選んだのは“撤退”ではなく“再生”でした。築浅で設備も整ったオフィスビル。市場価値は高かったものの、ローンの残債を引くと赤字。ですが、彼は「このビルにこだわっていたら、社員を守れない」と、迷わず自社ビルを売却し、オフィスを賃貸へ切り替えました。
それだけで、毎月の固定費が劇的に軽くなりました。浮いた資金を広告と採用に投じると、翌年の経常利益は1.3倍に。会社は、再び動き出したのです。
筆者が多くの経営者と向き合って感じるのは、「守る経営」ほど脆い構造はないということ。会社を強くみせようとするほど資産は動かなくなり、「社員のため」「安定のため」という善意が、いつのまにか会社の自由を奪っていきます。
不動産は、持つものではなく、使いこなすもの。経営者がみるべきは、資産の量ではなく、その“流れ”です。資産を動かすことは、リスクではありません。それは、会社に新しい選択肢を生み出す行為です。
最終的に会社を救うのは、仕組みでも資産でもありません。それを動かす意思と行動です。
「実行できる戦略こそが価値を持つ」
それは、どんな時代を生きる経営者にも共通する“答え”なのかもしれません。
萩原 峻大
東京財託グループ代表
