いつまでも輝く女性に ranune
「車を降りて運転席の窓をドンドン」“あおり運転”の男が態度を一変、弱々しい声で謝罪するまで

「車を降りて運転席の窓をドンドン」“あおり運転”の男が態度を一変、弱々しい声で謝罪するまで

◆田舎道で危険運転に遭遇

 佐伯美沙子さん(仮名・50代)は、長女が体験した“あおり運転”について話してくれた。友人の家に向かう途中、長女は田んぼと山に囲まれた一本道を車で走っていたという。

「信号もほとんどない静かな道で、気持ちよく運転していたそうです」

 しかし、後方からものすごい速度で近づいてくる車に気づいた。相手はすぐに車間を詰め、ヘッドライトを何度も点滅させてきたそうだ。

「カーブが続いていて追い越しもできない……。譲る場所もなかったので、“どうしよう”って思ったようです」

 相手はクラクションを鳴らし、車体が背中に押しつけられるような圧力を感じたという。手のひらには汗がにじみ、鼓動が早くなった。

 やがて、少し広い路肩を見つけた長女は、落ち着いてウインカーを出し、車をゆっくり寄せて道を譲った。

「車が横を通った瞬間、“やっと逃れられた”と安堵したみたいです」

◆道を譲った直後に起きた思わぬ展開

警察の白バイ 
 その直後、カーブの陰から白いバイクが飛び出してきた。警察の白バイだった。サイレンを鳴らし、猛スピードで先ほどの車を追っていったそうだ。

「映画みたいだったって言っていましたね。あっという間の出来事だったようです」

 遠くでパトランプが点滅し、その車が停止させられている状況が見えた。強張っていた体がようやくほぐれたという。

「長女は、“自分は間違ってなかった”って、すごく安心していました」

 焦ってスピードを上げていたら、自分が事故を起こしていたかもしれない。そう思うと、冷静に道を譲った判断は正しかったと、改めて実感したそうだ。

「田舎道でも警察はちゃんと見てるし、何よりも命が大事だって思いました」

 長女の落ち着いた判断が、危険を避け、正しい結末へとつながった出来事だった。

<取材・文/chimi86>

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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