◆不安が人を“オカルト”にのめり込ませる

角:やっぱり「不安」ですよね。なんらかの不安を抱えている人が多くて、ホラーにすがる部分があるんじゃないでしょうか。
文野:占いやスピリチュアルが好きな人も、環境の変化や恋人との別れのような不安があると、それにのめり込んでしまう印象がありますね。
角:はっきりした因果は不明ですが、私が編集長だったオカルトメディア『TOCANA』では、大地震後などにアクセスが急増しました。本格的なブームはコロナ禍からで、巣ごもりでYouTubeのオカルト動画を見る人が増えたことも要因でしょう。根底には、不安をホラーやオカルトの恐怖で上書きし、ストレスを発散したい欲求があると感じています。
◆作中に出てくる「11次元瞑想」の正体は…
──災害や病原菌など責任の所在がない不安を、恐怖体験で発散しているのでしょうか。角:そうだと思います。先行きが見えない時代だからこそ、オカルトで不安を和らげられるのはむしろ良いことだと思います。
──作品に登場するオカルト雑誌『アストラル』の編集長が言っていた「11次元瞑想」とはどんな瞑想法ですか。

文野:マシンで15次元にアクセスしたとき、どんなことが起こったんですか。
角:「タイムウェーバー」というマシンで、別次元にアクセスして私の「現在」と「過去・未来」の状況を見られるということで体験してみました。量子情報のやり取りで私のデータが出るのですが、そのとき私を表すキーワードのトップ3に「呪いじゃ~!」が入っていたんです。その頃ちょうど呪物を集めはじめたので、「えっ、なんでバレたんだろう?」と驚きました。ドイツのマシンなので出力もドイツ語のはずなのに、ここだけ日本語の口語で出てきたのでびっくりしました。

