いつまでも輝く女性に ranune
55歳、元ボキャブラ芸人の今。ウーバーイーツ配達員をしながら夫婦でコンビ結成「笑顔で楽しく生きています」

55歳、元ボキャブラ芸人の今。ウーバーイーツ配達員をしながら夫婦でコンビ結成「笑顔で楽しく生きています」

90年代に起きたお笑いブームで頭角を現していた坂道コロコロ。そのメンバーだったのがだんな松丘(松丘慎吾)さん、55歳。

だんな松丘
だんな松丘さん(55歳)
 相方の不祥事でコンビ解散後は、フォークダンスDE成子坂の村田渚さんと鼻エンジンを結成。しかし、志半ばで村田渚さんの急逝。トラブル続きの中、現在は妻である赤プルさんと夫婦コンビで活動しながら、Uber Eatsの配達員もしている。

 今回はそんな松丘さんが赤プルさんと結婚に至るまでのエピソードや、芸人とバイトの二重生活について聞いた。(記事は全2回の2回目)

◆相方の不祥事以降、芸人とバイトの二重生活

だんな松丘
――2006年に坂道コロコロの相方が逮捕され、順調だった仕事がすべてなくなったんですよね

松丘:そうですね。相方の不祥事の影響で給料がゼロになりました。坂道コロコロを解散した後に、渚さんと新しく鼻エンジンというコンビを組んだのですが、ポスティングのバイトもしていました。

――今もポスティングのバイトをされているのですか?

松丘:今はお笑い以外にはUber Eats(以下、ウーバー)やっています。結構早い時期から始めたので、もう5年目になります。きっかけはコロナ禍になって、テレビや営業の仕事がなくなったから。すでに通算2万回くらい配達しています。

――だんな松丘さんは現在55歳ですが、体力的にはきつくないですか?

松丘:自転車で配達していた時はしんどかったけれど、バイクだから大丈夫ですよ。ウーバーの仕事は、生活のためにやるしかない。僕は、お笑いのためにウーバーもやっている。だから恥ずかしいとも思わない。

だんな松丘
――ちなみに全盛期のギャラはすべて使ってしまったのですか?

松丘:あっという間でしたね。相方が捕まってからは、ずっとバイトです。でも楽しく生きています。ストレスがないほうが、長生きできるって思っています。会社員だとあと5年くらいで定年だろうけれど、ウーバーは定年がないので(笑)。いくつになっても働ける。現役の目標が90歳なんです。僕が長生きすることで、人生、何があってもこうやって明るく生きていけるんだっていうメッセージになりますよね。

――ウーバーのメリットってありますか?

松丘:今、ウーバーって、24時間注文ができる。夕方4時まで寝て、そこから深夜1時まで配達することもできる。どうしてもお金が必要ってなったら、朝8時から12時まで配達してからお笑いの仕事に行ける。働き方が自由なんで助かってますね。

――配達先で、だんな松丘さんだってバレたことはありますか?

松丘:あります。ポスティングをやっている時も、身バレはありましたね。でもそれはありがたい話ですよね。

だんな松丘
――今はお笑いの仕事とウーバーの割合はどのような感じですか?

松丘:お笑いの仕事なんてほとんどないですよ。赤プルは防災士の資格も持っているので講演会の仕事などもあるんですけれど、僕は8割くらいウーバーで稼いでいますね。雨の日だと逆に「稼ぎ時だ」って思います。この前、配達中に前のタクシーが急に停車したのを避けてバイクでよろけちゃったんです。そうしたら、鎖骨あたりが折れちゃって。今も怪我の治療をしながら配達をやっています。

――ウーバーで、利用者から低評価を付けられたらイラっとしませんか?

松丘:最初はしたけれど、今はあまり気にしないですね。僕、Goodが96パーセントなんです。ずっと99パーセントだったけれど、店側のミスで蓋がきちんと閉められていなくて汁がこぼれていたことがあって。でもそれは僕のせいではないし。だから評価も気にしないようにしています。

――自分のミスではないことで上手くいかないと、気持ちの切り替えが難しそうですが……。

松丘:僕のこの人生だったら、細かいことを気にしてたら無理ですよ(笑)。僕は一つの出来事で不幸になるなんてまったく思っていない。相方の不祥事や亡くなったことで、かわいそうに見られるのが嫌なんです。だから、笑顔で「楽しく生きています」 って言ってるんですよ。

◆後輩芸人の赤プルに猛烈アタックで結婚、コンビ結成へ

赤プル
妻でお笑いコンビ・チャイムの相方である赤プルさん(写真右)
――妻であり、コンビの相方でもある赤プルさんですが、結婚に至ったきっかけは何でしたか?

松丘:赤プルが事務所に入ってきて、ネタを観に行った。でも本当は赤プルの尻しか観ていなかった(笑)。つきあいたいと思って、僕の方から誘いました。でも年齢も離れているし全くダメ。半年くらい無視されていました。

――そこから結婚されるのは、逆転ですね。

松丘:ずっと「飯に行こう」って誘っていました。やっと一緒に行けると思ったら、赤プルに仕事が入って断られた。それで怒ったんですよ。「先輩と飲みに行くのにドタキャンはないぞ」って。向こうもこれはまずいって思ったみたいで、べつの日に飯を食いに行った。その時にめちゃくちゃ優しくしたんですよ(笑)。まさに飴と鞭なんです。

だんな松丘
――だんな松丘さんの方で、作戦を練ったんですね。

松丘:最初にご飯を食べに行った時は、優しくする。そうすると良いイメージがつくじゃないですか。すると次も飲みに行こうってなる。仲良くなって『つきあえるかな』って思ったら「いや、つきあえないです」って言われて(笑)。完璧にフラれたんです。でもそこから連絡をしなかったら、向こうから電話がかかってきた。

――結婚まではスムーズだったんですか?

松丘:僕は39歳だったので、40歳までに結婚したかった。だから『つきあうんじゃなくて、結婚してくれ』って言いました。最初は『はあ?』って反応でした。こうなったら意地ですよね(笑)。表参道の美容院を紹介したり、泰造さんと飯を食うのに連れて行った。もう使えるもの全部使いました! 赤プルは「セクハラとパワハラで結婚した」って言っていますけれど(笑)、あながち冗談じゃないかもしれないですね。


配信元: 日刊SPA!

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