レクサスへの昇格戦略が功を奏す
レクサスは2024年に世界で過去最高の85万台を販売した。このうち北米は37万台で4割以上を占める。次いで中国が18万台で約2割、日本と欧州はそれぞれ8万台で約1割ずつの世界シェアといったところだ。2025年もレクサスの世界販売は過去最高を更新するとみられる。
これらの実績を考えると、レクサスは世界はもちろん、日本でも成功したといえる。日本では日産がスカイラインにインフィニティのエンブレムを使用するなどしたが、インフィニティはレクサスのように独立したブランドとはならなかった。ホンダのアキュラも同様だ。その意味で、トヨタが日本でもレクサスを独立させ、トヨタブランドのクルマをレクサスに昇格させ、育てる戦略は功を奏したといえる。
豊田章男会長「レクサスが長男坊、トヨタが次男坊みたいな感じ」では困る?
一例を挙げるなら、コンパクトなFRスポーツセダンとして1999年に誕生した「IS」は当初、日本ではアルテッツァと名乗った。2005年のレクサス発足とともに、日本でもレクサスISとなり、その後は高級車として進化を続けている。25年9月にはISの新型モデルを公開し、26年初頭から世界各国で順次発売するという。ISは世界約40か国・地域で約130万台を販売したレクサスのベストセラーカーのひとつだ。
レクサスで気になるのは、冒頭に書いたように、トヨタが高級車「センチュリー」を一車種ではなく、高級ブランドとして独立させると発表したことだ。
豊田章男会長は「これまでセンチュリーの居場所がはっきりしていなかった」「レクサスが長男坊、トヨタが次男坊みたいな感じがあった。上級車以上になると、レクサスでもAbove(アバブ)が必要で、トヨタにはセンチュリーがある」などと発言している。
先のモビリティショーでトヨタのメイン展示はセンチュリーだった。その中でレクサスは「フラッグシップを再定義する」として、6輪の「レクサスLSコンセプト」を発表した。
トヨタのブランド戦略を統括するサイモン・ハンフリーズ執行役員は「センチュリーがトヨタの最高峰に立つことで、レクサスはラグジュアリーの中心で、さらに自由に進化できるようになる」と述べた。しばらくはトヨタの戦略から、目が離せない。
(ジャーナリスト 岩城諒)