
◆「アイドル」と「友達」を履き違えるファンも…
日々の娯楽に多数の選択肢があるのはとても良いことだが、ラフに参加できるようになったせいで距離感のおかしいファンが増えた。最近では某セクシー女優が写真を撮る際に、客から過剰なボディタッチを受けたらしく、SNSで注意喚起をしていたのだ。「どんなに距離感が近くとも演者には触らない」というのは、どの世界でも共通した推し活における絶対的なルール。しかし、“距離感バグ”を起こすファンは減らず、「会えるアイドル」を「近しい友達」と勘違いしてしまっているらしい。
ちなみに私も、とある大きなイベントに出た際にやられた。2ショットを撮る際にお尻を揉まれ、挙句の果てにはデリケートゾーンにまで手を伸ばされたのである。当時はプロ意識のかけらもなかったため笑顔でやり過ごすことができず、即座に怒ったのだが……。今でもあの怒りは忘れられない。
◆距離感バグを起こす客たち一体なぜ?
どこまでいっても演者は演者、客は客。この認識さえ揺るがなければおかしな行動へと繋がらないものの、推し活は沼である。たとえ公然の場でも、演者と顔を合わせる機会が多く、フランクに話せるような間柄になると、多くの人が油断しがちだ。この“油断”が思いもよらぬ方向へ進むと次第に距離感バグを起こし、推しに対して友達のように接したり、ダメ出しをしたり……。あるいは他のファンに嫉妬するなど、とても厄介なモンスターに大変身してしまう。
色恋営業のようなスタイルの演者なら、距離感バグの客が増えるのは致し方がないだろう。しかし、不思議なもので演者側が何もしておらずとも、好きな気持ちが抑えきれず勝手に暴走する人は現れる。よって、ボディタッチや「あなた、何様?」といった嫌われる行動を取ってしまう。
またボディタッチに関しては、グラドルやセクシー女優など「露出の多い仕事=ガードが緩い」と勘違いし「触ってもイイだろう」と傲慢な考えへと至るからこそ、あり得ない行動を取る。要するに、我々の商売を応援しているように見せかけた、一種の“見下し”なのだ。
距離感バグを起こす人は、大抵どこの現場でも同じことをする。演者とファンという観点で見るから特殊な事例に思えるけれど、一般社会で考えるとただのセクハラ・モラハラ以外の何物でもない。

