
ネット通販中毒でなんでも買ってしまっていたけれど、旅を始めてガラリと価値観が変わった――。本記事では、30歳目前でサラリーマン生活に終止符を打ち現在は世界を旅しながら2児を育てる森翔吾氏の著書『すべては「旅」からはじまった 世界を回って辿り着いた豊かなローコストライフ』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編して、世界を旅することで変わった価値観についてご紹介します。
モノばかり増えていく生活に辟易
サラリーマン時代の僕は、ネット通販中毒だった。年間180回(月平均15回)の購入記録があるほどで、PC周辺機器や本はもちろん、サプリメント、食品まで、あらゆるモノをネット通販で調達していた。
起業してからは海外で仕入れた商材をAmazonで販売していたので、「今、何が売れているのか」をチェックしながら、「あれも、これも」と購入し、使わないままお蔵入りするモノがさらに増えていった。
そして、不要なモノが部屋を占領するようになると、「何で無駄なモノを買ってしまったのだ」「まだ使えるのにもったいない」と心を痛めながら、ようやく捨てる。買うのは得意だが、とにかく捨てるのは苦手なタイプだった。
そんな僕が、自分探しの旅を始めてからあまり買い物をしなくなった。1年の半分は海外にいるので買い物をする時間がなくなったこともあるが、旅に出てから「モノがない環境のほうが集中して考えられる」と気づいたからだ。
モノを捨てると、「自分の価値観が見直せる、ストレスが減る、時間にゆとりができる、運気が上がる」と言われていることはもちろん知っていた。
以前は「そんなものなのか?」と半信半疑だったが、旅で実感したことを実践してみようと自分の部屋の不要なモノを捨てまくり、ベッドも捨てて寝袋で寝るほどミニマムな生活を徹底してみた。すると、本当に集中力の質が変わってきたことが自分でもわかるようになった。
「愛着のあるモノ、思い出が詰まっているモノが部屋の中にたくさんあると、目に入ったときに、無意識レベルで昔の記憶や思い出に浸ってしまうことがあるから、気が散って仕事のパフォーマンスが下がる」と教えてくれた人がいたが、なるほど、そういうことだったのかと納得できた。
必要最低限のモノさえあれば生活ができるとわかってからは、旅をするときの荷物も圧倒的に少なくなった。ニューヨーク、ドバイ、インドであっても、予定が1カ月でも3カ月でも、バックパック一つ。そのほうが移動するときもラクだし、スリや置き引きに狙われるリスクも格段に減る。
不要なモノを捨て、必要なモノを選び取ることも「自分探し」
結婚してロシアに引っ越して来たときも、新しい家族へのお土産を別にすれば、僕の荷物はバックパック一つ。パソコン、スマホ、イヤフォン、充電器、髭剃り、サプリメント、わずかな服を入れてきただけだった。
さすがにマイナス20度以下になる極寒のロシアなので、厚手のコートとブーツは購入したが、それ以外はほとんど自分のものは購入していない(僕がロシアへ来た当時はネット通販が普及していなかったということも大きいが……)。
ロシアでは、室内は暖房が効いていて暖かいので半袖で過ごせる。清潔であればTシャツで十分だと思うようになり、今では仕事でクライアントさんに会うときも、YouTubeを撮影しているときも、同じ格好をしている。
ときどき、僕のYouTubeを見たという人から、連絡をもらうことがある。先日も、ロシア人の彼女がいるという日本人の男性が、「ロシアへの移住を考えているのですが相談に乗ってもらえませんか?」とカザンまで訪ねてきてくれた。
クライアントさんからも、会いにきてくれたYouTube視聴者さんからも、いつも同じことを言われる。「森さん、映像そのままですね!」と。そう言われるのは、何だか嬉しい。
自分探しの旅とは、自分にとって不要なモノを捨てながら、必要なモノを選び取っていく旅だったのだと思う。旅に出たおかげでロシア人の女性と結婚し、二人の子どもができた。家族というかけがえのない宝物を得られたことを、心から幸せだと思っている。
森 翔吾
