◆30年で変化した世間の「感覚」

IZAM:僕はデビュー前、髪の毛を膝くらいまで伸ばしていたせいで、アルバイト先もなかなか決まりませんでした。
ーー今は、アルバイトでも髪型の制約が緩くなりましたよね。
IZAM:だけど、ある酒屋さんが配達のアルバイトとして雇ってくれたんですが、働き始めてからも「気持ち悪い奴が配達してる」と言われたこともありましたね。僕もお店に対して申し訳ない気持ちになったんですが、店主の方は僕を守ってくれたし雇い続けてくれたんです。
ーーその意味では、IZAMさんが社会の価値観を変えるのに、ひとつのアイコンになっていたとも言えるかもしれませんね。
IZAM:数年前に、新宿2丁目に遊びにいったんですが、お店に入るとそこのママが「きゃー!神が来たー!!」って大喜びしてくれたんです。近隣のお店のママたちも集まって来て「神が降臨されたー!」って喜んでくれて。話を聞いたら、みなさん学生時代に、それぞれのセクシャルについて気持ちも不安定だったみたいなんです。今以上に、社会的にも認められていなくて、親にも言えなかった人もいました。
ーー今より、差別的な見方も強かったですしね。
IZAM:その頃に、僕がテレビなどに出て来たのを見て「男なのにこんな格好してる人がいる。これでいいんだ!」と思えたという方がたくさんいたんです。何人もの方に、「あなたがいたから、今自分に自信を持って生きていられるんです」と言ってもらえて。それをできただけでも、やっていてよかったかなと思いますね。
◆「IZAM」と「SHAZNA」のこれからは?
ーーSHAZNAは2001年に活動休止、再結成するも2009年に解散しています。しかし、再々結成を経て、ここ数年は原点回帰のような動きがあるように見えます。IZAM:デビュー当時のメンバー2人とは、何年も前から「僕らの原点だから、もう一度やりたいね」という話はしていました。コロナが広がって一度は保留になっていたんですが、コロナ明けから立ち上げ直している感じです。
ーー2人のメンバーもずっとソロを続けていたんですか?
IZAM:活動休止後、2人とも人前に出る活動をしてはいたんですが、いつの間にかやめてしまっていたようで、復活前は何もしていなかったみたいですね。今は、ツアーに向けてしっかりと準備しています。曲目も、1997〜2000年で開催したツアーを再現して、国内5都市・南米3か国を巡ります。
<取材・文/Mr.tsubaking>
【Mr.tsubaking】
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

