② 11〜12月の施肥が大事な理由

一方、肥料はクリスマスローズにとって「花を咲かせるためのガソリン」のようなもの。とくに、八重咲きや多弁咲きは一重の花より開花にパワーを使います。ただし、肥料はいつ与えてもいいわけではありません。
- 11〜12月:根がよく動き、肥料を吸収して株の力に変えられる時期
- 1〜2月:寒さで生育が鈍り、肥料を与えても吸収効率が低い
- 3月:開花期。肥料ではなく、すでに蓄えた養分を使って咲く
だからこそ、肥料は11〜12月にきちんと与え、1〜2月は基本的にストップ。
「今(11〜12月)やらないと、開花のためにやる時がもうない」と覚えておくと、冬の作業の優先度がはっきりします。
11月の仕事|植え替え・株分け・追肥はこの月に終わらせる
11月の管理場所は「風通し+日当たり」が基本
11月は、クリスマスローズにとって本格的な生育期。
管理場所は、
- 風通しがよい
- よく日が当たる
この2つを満たす場所がベストです。日光をたっぷり浴びることで、株の中心部にある花芽が充実し、翌春の花数や花の大きさに直結します。
鉢植えは、ベランダや軒下でなるべく日当たりのよい位置に。夏に半日陰へ移していた鉢も、冬は“日向席”に戻してあげましょう。
鉢植えの施肥と管理

緩効性固形肥料+2週間に1回の液体肥料
鉢植えは肥料の管理がとても重要です。11月のポイントは、
- 鉢土の表面に緩効性固形肥料を置く
〇ゆっくり溶けて長く効く、ベースの肥料 - 2週間に1回のペースで液体肥料を与える
〇水やり代わりに、規定の倍率に薄めた液肥をたっぷり
この「固形+液肥」のダブル使いで、11〜12月のうちにしっかりと栄養を蓄えさせるイメージです。
植え替え・株分けは11月中に

鉢がパンパンになって根詰まりしている株や、何年も植え替えていない株は、11月中に植え替え・株分けを済ませておきます。
- 一回り大きな鉢に替える
- 大株は、健康な芽がついている部分ごとに株分けする
11月なら、作業後にまだ生育期が続くため、新しい根が動き出しやすく、春までにしっかり回復してくれます。植え替え&施肥をセットで行うと効果的です。
地植えの株には「有機質肥料」と「寒肥」を
地植えの株には、土づくりを兼ねて、11月にしっかりと養分を与えます。
- 腐葉土や油かすなどの有機質肥料を株の周囲にすき込む
- さらに「寒肥」として、堆肥を株元に敷き詰める
堆肥は5cmほどの厚みでマルチングするのがおすすめ。特に、前年春の花の勢いが弱かった場所は、しっかりマルチングして土壌改良も兼ねると、翌年の花付きがぐっとよくなります。
11月から始める「古葉取り」
11月には、いよいよ古葉取りもスタートします。
古葉取りを始めるサイン

- 春から残っている葉が傷んできた
- 株の中心部が盛り上がってきて、外側の葉柄が横に倒れてきた
こんな様子が見えたら、古葉取り開始のサインです。
古葉取りの基本

- 倒れてきた古い葉を中心に、5cmほど茎を残してカット
- 方法は2通り
- 手でもぎ取るように折り取る
- よく切れるハサミでカットする
ハサミを使う場合は、あらかじめ消毒してから。複数の株を続けて作業する時は、株ごとにハサミを消毒しながら進めると、ウイルス病などの感染予防にもなります。
