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今回話をしてくれたのは、スーパー店員の佐藤司さん(仮名・43歳)。半年に一回くらいのペースで厄介な客に遭遇するという。ある日、佐藤さんがレジ対応をしていると、40代くらいの男性が来店したそうだ。

◆普通のサラリーマンのように見えたのだが…
「パリッとしたシャツを着た、一見すると普通のサラリーマンでした。でも目が据わった感じで……。『あ、この人やばいのかな』と思って、入店してきた時点で注意していました。その男性客がお会計をする際、『あれ、お金が足りないかも……』と財布のなかをゴソゴソと探し始めました。そして目を少し離した隙に、かごの中の商品を持ってそのまま逃げようとしたんです」相手を逃すまいと、急いで相手の腕を掴んだという佐藤さん。
「慌てて相手の腕を掴みました。すると、少し爪あとがついてしまったんです。これに対し、相手は『お前!!何やってんだ!医者に行く!!』と爆ギレし、収拾がつかない状態に。腕を掴んだことは謝ったのですが、血が出ていたりアザになっているわけでもなく、明らかに怪我といえるレベルではないと思われました。しかし、『警察を呼べ!』といきり立っており……すったもんだの末、警察を呼ぶことになりました」
◆警察から事情聴取を受けるハメに
「警察官が到着するやいなや、男は興奮状態で捲し立てる始末。一方、僕は冷静に事情を説明するよう努めました。防犯カメラに映像も残っていて、こちらに非がないことは明らかだったので……」話を聞き、警察官も男性客を宥めるモードになったそうだ。
「嫌だったのは『お前の電話番号と連絡先を教えろ』とにじり寄られたことです。絶対に付き纏われるだろうなと思ったので、『個人情報は教えられません。』と突っぱねて。あまりにも相手が憤慨していたため、警察官も私もどうしたらいいかわからなくなりました」

