みなさんは、「もしも空が飛べたら」何をしますか?
「もしも○○だったら」と空想すること自体に意味はないと分かりながら、人は空想から逃げられませんでした。
実際、私たちの暮らしは「空想」を現実にすることで発展してきました。
わずか数百グラムの金属板ひとつで、高度な計算、集合知へのアクセス、外国語の翻訳、写真や動画の撮影など、様々な「魔法」を使いこなしていますよね。
イギリスのSF作家クラークは「クラークの三法則」にて「高度に発展した化学は、魔法と区別できない」と述べていますが、全く我々の暮らしを200年前の人々が目撃したならば「魔法の国」と見紛うに違いありません。
そして、私たちはいま新たな「魔法」の誕生を目の当たりにしています。
AIの発達により、ただの素人でも一見専門家顔負けの出力を得られるようになりました。
この文章は私が手書きで打ち込んでいますが、その気になれば、これと同じような内容の文章を数秒以内に出力できる点で、AIは無限の可能性を秘めています。
気になるのが「AI時代に活躍できる人材とは?」でしょう。
そこで、様々なモデルを探ってみた結果、意外なキャラクターが「優秀すぎる」として浮かび上がってきました。
今回は「他力本願の人でなし」が輝くかもしれないAI時代の生き方について考えます。

◆これからの優秀さ
みなさんは『ドラえもん』をご覧になったことがありますか?いじめられっ子で、万年落第生ののび太、いじめっ子のジャイアンと腰ぎんちゃくのスネ夫、マドンナのしずかちゃんら少年少女4人組と未来からやってきた完全自立二足歩行猫型ロボット『ドラえもん』が様々な騒動を巻き起こす国民的人気作品です。
作品中では、しずかちゃんや秀才の出木杉が「できる人」として描写されています。
ペーパーテスト全盛で、AIなんてなかった時代と考えれば無理もありません。
ただ、元号が令和へ移り変わり、知識偏重評価体制に疑問が呈されるようになった現代としては、多少時代遅れにも見えます。
いまは、AIによって知識を外部委託できる時代。
計算ができなくても電卓を持っていれば仕事ができるように、知識なんてなくても、使い方さえ誤らなければ、活躍できます。
もちろん、知識のファクトチェックなど課題は残りますが、その程度の問題は、やり方さえ覚えれば誰でもクリアできる。
つまり、これからこそが「地頭」が問われる時代なのでしょう。
◆AIに最も適応できるキャラは?
そういった意味で『ドラえもん』世界を見渡すと、今度は意外なキャラクターに焦点が当たります。それは、本作の主人公であるのび太。前述の通り万年落第生、テストの点数は1ケタ台ですが、「ひみつ道具」の悪用に関しては彼より優秀であるはずのしずか・出木杉両名の追随を許さない。
そもそも我々が躍起になって知識を得ていたのは、知識がなければ、結びつけるべきポイントが明瞭にならず、「考える」ことができないからでした。
逆を言えば、知識が外部から供給されるようになれば、これからは「初見の事象に対していかに早く適応し、独創的かつ実用的な結び方を発想できるか」で勝負が決まります。
「ひみつ道具」なんて、我々の常識の外を行くようなものばかり。
それでも、それら道具を一瞬で受け入れて、シャバにいられるギリギリの倫理観でグレーゾーンまっしぐらの実用性を追求できるのは、確かに「AIに適応できる人材」の条件を満たすのではないでしょうか。

