海外で働くメリット・デメリット
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海外で働くメリットは次のようなことが挙げられます。
キャリアの幅が広がる
海外は日本に比べ、年齢よりスキルや実績を重視する傾向があります。「何ができる人物か」が評価されるため、やる気次第でキャリアアップのチャンスも多くなります。また、外資系や現地企業での経験は、日本に帰国した後も「国際的な実務経験がある者」として高く評価されます。
語学力・コミュニケーション力が飛躍的に伸びる
毎日の生活や仕事を通じて実践的な英語力(または現地語)が身につくのは大きな魅力です。もちろん語学だけではありません。日本とは異なる文化の中で、どう伝えるか、どう理解するか、といった国際的なコミュニケーション力も磨かれます。語学が完璧でなくても通じる感覚を得られるのも大きな成長ポイントです。
給与水準や働き方の自由度が高い国も多い
シンガポールやオーストラリアなどは、同じ職種でも日本より平均年収が高い傾向があります。また成果を出せば短期間で昇進・昇給することも可能です。ワークライフバランスを重視し残業が少ない国が多いため、プライベートを充実させることもできます。
新しい価値観・人生観に出会える
日本とは異なる文化・宗教・働き方に触れることで物の見方が柔軟になります。30代での海外経験は人生を自分で選ぶ感覚が強くなる人が多いようです。
資産形成・お金の知識が身につく
現地で給与を得ながら生活することで、為替・税金・保険制度などの理解が自然と深まり金融リテラシーを高める機会に。税制や物価の違いを体感することでお金の価値観が多面的になります。
一方でデメリットはどういったことがあるでしょうか。
生活環境の変化によるストレス
住まい探し、銀行口座の開設、携帯契約、交通手段の確認など日常生活のすべてを一から構築する必要があります。スーパーでの買い物や病院の予約、郵便手続きなどちょっとしたことでも当たり前にできず疲れを感じることがあります。言語や文化が異なるため、慣れるまでは想像以上のストレスを感じる人もいるでしょう。
言語・文化・価値観の壁
英語がある程度できても、職場でのスピード感やニュアンスの違いに戸惑うことがあります。日本人特有の遠慮の文化が理解されにくく、意見を主張しなければ評価されにくいことも多くあるようです。
医療への不安
日本の健康保険は原則として海外では利用できません。国によっては風邪でも数万円掛かるなど高額になる場合があります。
日本のキャリアがリセットされるリスク
日本での職歴が一時的に途切れるため、場合によっては帰国後の再就職が難しいケースもあります。
メンタル面の課題
周囲に家族や友人がいないため、仕事や生活に慣れない時期は特に孤独を感じやすくなります。女性は安全面やハラスメントにも注意しなければなりません。
海外で働く準備で必要なこと
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海外で働くためには、どのような準備が必要でしょうか。年金・税金・健康保険の扱いなど、主にお金や制度の面について解説します。
資金準備
最初の数カ月は収入が安定しないことも想定されます。最低でも3カ月分、出来れば6カ月分の生活費を目安に事前に貯蓄しておくと安心です。また、海外送金の方法やその時の手数料、クレジットカードの利用制限を事前に確認し、慌てなくて済むよう気を付けましょう。
年金
海外に転出すると日本の年金制度である国民年金の加入義務はなくなります。ただし、老後に受け取る年金がその分積み上がらないため、将来の年金を少しでも増やしたい場合は「任意加入」を選択することも可能です。海外に転出する前にお住まいの市区町村の窓口に申し出ましょう。
納付は、親族などの協力者が本人の代わりに納める方法と、銀行口座から口座振替で支払う方法があります。国内の銀行口座でなければならないため、事前にある程度まとまった資金を入金しておくと安心です。任意加入することで、海外在住中に死亡した時や一定の障害状態になった時には遺族基礎年金や障害基礎年金が支給されます。
なお、日本企業から継続雇用されながら転勤や駐在で海外で働く場合、引き続き厚生年金に加入することができる場合があります。
健康保険
海外で病気やケガを負い治療を受ける時は、健康保険の「海外療養費」として後で治療費を補てんしてもらう仕組みがあります。しかし、海外療養費は、現地での突発的な病気やケガを想定したものですので1年程度の短期の渡航に対するものです。長期の滞在や現地採用などの場合は住民票を抜く必要が出てくるため、日本の健康保険には加入できません。
海外でもしもに備えるには、民間の医療保険や傷害保険に加入すると良いでしょう。雇用会社で現地の保険に加入できないか確認することも必要です。また、クレジットカードに海外旅行保険が付いている場合がありますが、これは観光など短期の渡航が対象。就労ビザで居住する人は対象外とされることもあるため事前に確認をしましょう。
なお、転勤や駐在で日本企業との雇用契約が継続され、日本企業から給与が支払われる場合は、そのまま今の健康保険が適用されます。
税金
1年以上海外に滞在する場合は「非居住者」扱いとなり、原則として日本で所得税はかかりません。一方で現地での納税義務は、その国のルールに沿って納める必要があります。日本と現地での二重課税を防ぐため、両国の租税条約がどうなっているかは確認しておくと良いでしょう。