3.鉄筋コンクリート住宅リフォームの注意点
鉄筋コンクリート住宅には、リフォームの方向性を大きく左右しかねない注意点があります。下記に挙げる内容を計画前に必ず確認しておきましょう。
3-1.1981年以前の「旧耐震基準」の建物は耐震補強も検討
1981年(昭和56年)5月31日以前に建築確認を受けた建物の場合、「旧耐震基準」で建てられている可能性があります。
旧耐震基準は「震度5程度の揺れで倒壊しないこと」を基準としていますが、現在の新耐震基準は「震度5強程度の揺れで損傷しないこと、震度6強〜7でも倒壊しないこと」としており、耐震性能が大幅に劣ります。
大切な命と資産を守るためにも、旧耐震基準の建物にお住まいの場合は、リフォーム計画の第一歩として耐震性の確認を必ず行いましょう。
まずは専門家による耐震診断を受け、建物の現状の耐震性能を正確に把握することが重要です。自治体によっては耐震診断の費用を補助する制度もあります。
もし耐震性能に問題があると判断された場合、耐震補強工事が必要になります。特に、間取り変更を伴うような大規模リフォームを行う際は、耐震補強も同時に計画するのが最も効率的です。補強工事には、耐力壁を増設したり、コンクリートを増し打ちして補強したりといった方法があります。
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3-2.リフォームの確認申請が必須になるケースも
柱・梁・壁・床・屋根などの「主要構造部」の過半を修繕、模様替えする「大規模リフォーム」を行う場合は、原則として確認申請が必要になります。
確認申請が必要になると、耐震性能や省エネ性能を現行の建築基準法に適合するレベルまで引き上げることが求められるため、結果としてリフォームコストが増大する傾向になります。
申請手続きのための別途費用もかかる一方で、建築士によるチェックが入るため、リフォームの安全性や適法性が担保されるというメリットもあります。
建築法規を理解し、適切に手続きを進められるかどうかは、リフォーム会社の知識と経験が問われる部分です。会社選びの際は、こうした法適合にもきちんと対応できる会社かしっかり見極めましょう。
4.鉄筋コンクリート住宅のリフォームを成功させる会社選びのポイント
RC住宅のリフォームは、木造住宅とは異なる専門的な知識と技術が求められます。だからこそ、パートナーとなる会社選びが成功の9割を決めると言っても過言ではありません。
4-1.なぜRC住宅のリフォームは会社選びが重要なのか?
構造への深い理解が必要建物の安全性を損なうことなく、どこまで手を入れて良いかを的確に判断するには、鉄筋コンクリートの構造計算に関する知識が不可欠です。
鉄筋コンクリート住宅のリフォームでは、柱や梁、壁が建物の強度に大きく関わるため、これらの構造部材を安易に変更することはできません。例えば、間取り変更の際に耐力壁を撤去してしまうと、建物の耐震性能が著しく低下し、地震時の倒壊リスクが高まります。また、窓の増設や水回りの移動においても、構造計算に基づいた慎重な検討が求められます。
経験豊富なリフォーム会社は、図面(竣工図や構造図)を確認し、専門的な知識と技術で構造への影響を最小限に抑えながら、お客様の要望を実現するための最適な提案を行います。これにより、見た目だけでなく、安全性と耐久性を兼ね備えたリフォームが実現できます。
施工の難易度が高い上述の通り、鉄筋コンクリート住宅のリフォームは施工の難易度が高く、専門的な技術と知識が不可欠となります。
鉄筋コンクリートの構造を正確に理解し、適切な施工ができる職人や業者は限られています。鉄筋コンクリート構造に悪影響を及ぼさないように解体や補修をする技術など、木造にはない特殊な技術が求められるからです。
経験の浅い会社に依頼すると、見た目だけを重視した提案で構造的に危険な工事をしたり、断熱や防水の施工不良でトラブルになったりするリスクがあります。工期の遅延や追加費用が発生し、大きな負担となる可能性もあります。
RC造の施工実績が豊富で構造を深く理解し、丁寧な現地調査を行う信頼できるリフォーム会社を選ぶことが極めて重要です。
4-2.信頼できる会社を見極めるべき3つのポイント
[1]RC造の施工実績が豊富か会社のウェブサイトなどで、鉄筋コンクリート住宅のリフォーム事例(特に戸建て)が豊富に掲載されているかを確認しましょう。事例の数と質は、その会社の経験と技術力を示す最も分かりやすい指標です。
[2]構造を理解した提案ができるか現地調査の段階で、自宅の図面(竣工図書)を見ながら「この壁は構造上取れません」「ここなら水回りを移動できます」といった、構造に基づいた具体的な説明をしてくれる会社は信頼できます。
メリットだけでなく、デメリットやリスクも率直に話してくれるかも重要な判断基準になります。
契約前の現地調査で、コンクリートの状態(ひび割れ、中性化の進行度など)を専門的な機器を使って診断したり、天井裏や床下まで細かくチェックしたりするなど、時間をかけて丁寧な調査を行う会社を選びましょう。
鉄筋コンクリート住宅リフォームでの会社選びでは、住宅の構造を理解しているかどうかなど、専門的な視点が必要です。
「」では独自調査で会社ごとの特徴を熟知した専任のコンシェルジュが、厳しい審査を通過した優良会社のうち、鉄筋コンクリート住宅のリフォームが得意な会社を選んでご紹介いたします。ご利用は無料なので、お気軽にご相談ください。

