リジェネラティブコットンが主流になりつつある今、知っておくべきすべてのこと
サステイナブルファッション界ではかつてオーガニックコットンが頂点に立っていたが、新たなカテゴリーが急速に台頭している。
あなたは実際、どれくらい洋服のタグを見ているだろうか? もしあなたが拡大するクリーン・クローズ・キャンペーン(これについての詳細はまた後日)の一員なら、おそらく頻繁にチェックしているだろう。そうでなければ、ニットの値段を正当化しようとするときに限られるはずだ。何しろポリエステル混紡のウールがカシミアより高価であるべきではないのだから。
しかし、普段から自分のワードローブの素材をチェックしているにせよ、たまに気にするにせよ、最近よく目にするようになった新しい言葉がある。リジェネラティブコットンだ。
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簡単に言えば、「リジェネラティブコットンとは、土壌からただ搾取するような農法ではなく、土壌の健全性を回復させ、生物多様性を高め、時間をかけて土を改善させる農法で栽培された綿のことだ」と、自身の名でブランドを立ち上げたローラ・ジーンは説明する。彼女のブランドは約1年前に完全にリジェネラティブコットンに切り替えた。彼女はステラ・マッカートニーとともに、この分野の先駆的な工場の一つであるトルコのソクタスから繊維を調達している。
消費者にとって、リジェネラティブコットンは見た目も肌触りも私たちが知っている綿とほとんど変わらない。織りが密になったり、白さが増したりするわけではない。違いは衣服ではなく、土壌にある。リジェネラティブコットンの栽培、そして再生型農業全般は「土壌有機物の再構築、化学物質投入の削減、生態系全体の回復力強化、農家の生活の長期的支援に焦点を当てている」とジーンは付け加える。
この説明に聞き覚えがあるなら、おそらくドキュメンタリー番組『ジェレミー・クラークソン 農家になる』で実際のプロセスを見たことがあるのかもしれない。そこでは英食品会社ワイルドファームドが再生型農法を推進し、より健全でより豊かな作物を育てるため、まるで私たちが自分たちの体に栄養を与えるのと同じように、土壌に不足している栄養素を補給していた。
今、この同じ「土壌第一」のアプローチがファッション業界にも浸透している。米フットウェアブランド、コモン・オブジェクティブによれば、綿花は世界の繊維生産量の約24%を占めるため、これは重要な転換点だ。
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シチズンズ・オブ・ヒューマニティ、AゴールドE、ステラ マッカートニー、ハード、アルマーニ、さらにはアンソロポロジーまで、多くのブランドがこの動きを取り入れており、デニムからTシャツ、定番のスウェットシャツまで、あらゆる製品にリジェネラティブコットンを織り込んでいる。
デニムブランドのシチズンズ・オブ・ヒューマニティとAゴールドEは、この分野のリーダー的存在だ。「再生型農業を実践することは、単に化学物質の代替というだけではなく、土地のバランスを回復させるものです」と、シチズンズ・オブ・ヒューマニティグループのCEO、エイミー・ウィリアムズは語る。「土壌の健康を改善し、気候変動対策として炭素を土壌に閉じ込め、水分保持力を高め、生物多様性を増やす、こうした農法は農家がより健全な作物と、より安定した収穫量を達成する助けになります。その結果、農業コミュニティを支えるだけでなく、高品質で栄養価の高い食物を生産する、より生産性の高い農場が生まれるのです」
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では、すでに広く認知され、現在推奨されている選択肢である有機栽培の綿花とはどう違うのか? 「オーガニックコットンは従来の農法で生産された綿に比べ、農薬・肥料・殺虫剤・水の使用量を削減し、環境への悪影響を軽減するが、それ以上の効果はなく、土壌や生態系は依然として時間とともに劣化することが多い」とステラ マッカートニーのリジェネラティブコットンの情報ページで説明されている。
これに対し「再生型ソーシングの手法は農業に包括的なアプローチを取り、環境条件を測定可能な形で改善する。そして作物の生産性や回復力の向上、作物の多様化による収益源の増加などを通じて、農家とその周辺コミュニティに利益をもたらすことを目指している」と説明している。さらに「リジェネラティブコットンのソーシングが土壌の炭素隔離量を増加させ、気候変動への取り込みに貢献し、地域の生物多様性の改善と保護、そして母なる地球を最優先する」と付け加えている。
先述のジーンが言うように、リジェネラティブコットンが重要なのは「環境面で妥協することなく、また作物自体の経済的な持続可能性を損なうことなく、綿花生産を持続させる唯一の方法だからだ」。その恩恵は広範囲に及び、成長を続けるファッション産業においてその必要性は極めて重要である。
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綿だけではない。再生型農業は動物にも応用できると、英ブランド、ハードの創業者ルース・アリス・ランズは言う。「植物や羊毛が育つ環境によく適合していることが重要です。例えば英国の羊毛、北欧のリネン、インドの綿のように。ホリスティック農業を行う際、土壌の健康と生物多様性を優先するからです」
だから次に洋服のタグを見るときには、値段の正当性だけを確認するのではなく、進歩の証しをチェックしてほしい。サステイナブルな買い物をしようとするときは特に。
translation & adaptation: Akiko Eguchi
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