いつまでも輝く女性に ranune
4時間睡眠、往復4時間通勤。仕事と子育てに明け暮れ…総合職としてキャリアを重ねた50代女性、息子が家を出たあとに気がついた「28年で失った大切なもの」

4時間睡眠、往復4時間通勤。仕事と子育てに明け暮れ…総合職としてキャリアを重ねた50代女性、息子が家を出たあとに気がついた「28年で失った大切なもの」

重度の頚椎椎間板ヘルニアで医師から告げられた「最悪の可能性」

息子が就職のため家を出て、私はいよいよひとり暮らしになった年のことです。ある日突然の体調不良、原因は重度の頚椎椎間板ヘルニアでした。検査の結果「このままだと、次に衝撃を受けたとき、全身不随になる可能性がある悪化した状態。すぐに手術と入院が必要です」とドクターに告げられました。

手術をしても症状は取りきれない可能性があること、首を前方から切開する術式のため、合併症で声が出なくなったり、最悪の場合は死に至ったりするリスクもあるとのことで、術後に元どおりの健康な体に戻る確率は2分の1との説明を受けました。

あまりの突然の出来事に「なんで、私がこんなことに……」という驚きとショックは隠せませんでした。信じられずサードオピニオンまでしたくらいです。いろいろな角度から不安が襲いました。

「手術はうまくいくだろうか……うまくいったとしても、どこまで回復できるだろうか」「術後に元の生活に戻れるのだろうか? もし戻れなかったら、仕事は、生活は、私のこれからの人生は、どうなるのだろうか」

見えない将来への不安で押しつぶされそうになりました。まわりを見る余裕がなくなり、孤独感でいっぱいでした。まさしく負のスパイラルです。心を閉ざして苦しい時間を過ごし、眠れない日が続きました。これまで当たり前だった「健康」を突然失うかもしれない恐怖とともに、「健康」という土台のうえに「私の人生」があることを思い知る出来事になりました。

「2分の1」に勝利…手術は成功し、日に日に回復

発症してから2か月後、私は手術を受けます。「手術はうまくいきましたから、もう大丈夫!」とドクターに言われたときは、うれしくて涙が出ました。

ラッキーなことに、術後はわずかの痛みや不調も残らず、合併症もなく、日に日に回復。術前の不安は見事に消えて、感謝という言葉だけでは言い表せない幸せな気持ちで毎日を過ごしました。

自分を後回しにした“ツケ”か…失って気づいた「健康」の重要性

この経験がなければ、これまで当たり前だった「健康」をこれほど意識することはなかったと思います。「健康」だからこそ、やりたいことができていることに初めて気づけました。失って気づくとはよくいいますが、私の場合は失いそうになって気づけたので、そういう意味でもラッキーなほうだと思えます。

普段から、自分の体からのSOSに敏感でいれば、運動や生活習慣など気にしていれば、未病ケアや予防もできていたのかもしれなかったと反省しました。

健康であるために、無理をしすぎない、ストレスを抱えない、よく眠る、バランスよく食事をする、適度に運動する、など健康によいといわれる生活を送るために必要なことは頭でわかっていても、できるほうが難しいのではないかと思っていました。仕事や子育てをしている期間は、とくに自分のことが後回しになってしまいがちです。

働く皆さんは、どうでしょうか? 大なり小なり自分を後回しにした経験をもっている人がいるのではないかなと思います。ですが、こうしてそのツケが訪れるときがくることもあります。これから先の人生を考えたとき、まずは健康であり続けること。やはりこれが生きていくうえですべての土台であり、必要不可欠なことだと実感しました。これは年齢に関係なく、すべての人にいえることではないでしょうか。

私のようにひとり暮らしだと、より一層、生きていくうえで根幹になります。健康であって初めて自分らしく人生を楽しめる、やりたいことも好きなようにやれる、なんなら文句のひとつだって言えるのだと思います。

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