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「ショート動画依存」で脳が壊れる。記憶力、思考力、決断力が低下してもやめられない…最も危険なネットコンテンツの罠

「ショート動画依存」で脳が壊れる。記憶力、思考力、決断力が低下してもやめられない…最も危険なネットコンテンツの罠

ただアプリを立ち上げるだけで、際限なく快楽を浴びることができるショート動画。しかし、その代償は想像以上に大きい――。世界中を夢中にさせるコンテンツの危険性に迫る。

◆過剰な報酬を浴び続け、脳が劣化

[ショート動画依存]で脳が壊れる
※画像はイメージです
 本が読めなくなっている? 都内在住会社員、松田愛さん(仮名・36歳)はおののいた。

「駅のホームで電車を待つ間、小説でも読もうと本を開いたときのこと。少し前までは、すぐに物語の情景が浮かんで読書に没頭できたのが、単なる文字の羅列にしか見えず、それを目で追うのが、とても退屈で苦痛だと感じてしまったんです」

 思い当たることはあった。スマホの通信量が毎月あっという間に上限に達し、追加データ購入が当たり前になっていたのだ。その理由はショート動画の視聴だ。

「気づけば、トイレでも寝る前でも、何をしても手がスマホに伸びてしまう。“ながら見”が日常になっていました」

◆思考や記憶をつかさどる前頭前野の機能低下は恐ろしい

[ショート動画依存]で脳が壊れる
脳科学者・榊 浩平氏
 ショート動画とは、TikTokなどに代表される、数十秒から1分ほどで終わる縦型の短編映像だ。次々と流れてくる刺激的な映像に、気づけば時間を奪われていく――。

「ショート動画に依存し、本が読めなくなるというのは十分にあり得ます」と話すのは、脳科学者の榊浩平氏だ。

「読書は集中力や理解力、想像力など、能動的に脳の機能を使う行為。一方、ショート動画の視聴は、ほぼ脳を使わない受動的な行為でありながら、60秒という短いスパンで楽に報酬(刺激)が得られるため、ネットのあらゆるコンテンツの中でも、飛びぬけて依存性が高いのです。しかし、脳は筋肉と同じで使わないと衰えていくもの。特に思考や記憶、言語を話す力など、人間のあらゆる知的活動を支えている前頭前野の機能低下は大きなリスクです」

 依存が進むと、日常生活にも悪影響を及ぼす。

「これまで普通にこなせていた業務の効率が落ちたり、感情の抑制が利かなくなって人間関係に支障をきたすリスクもあります。しかも、前頭前野の衰えにより自分をコントロールする力が低下すると、楽に報酬が得られるショート動画にもっと依存するようになるという、負のスパイラルに陥ります」

配信元: 日刊SPA!

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