◆無限・自動・レコメンドで依存が加速
![[ショート動画依存]で脳が壊れる](https://assets.mama.aacdn.jp/contents/210/2025/11/1764029134881_uihqvhk5rd.jpg?maxwidth=800)
「ネット上のアルゴリズムがユーザーの興味関心に合わせて情報を偏らせていくフィルターバブル効果はよく知られるところ。ショート動画ではそれに加え、似た系統の動画だけでなく、ビッグデータを駆使して“その人が好きそうな別ジャンル”の動画まで次々と表示してくる圧倒的なレコメンド機能がある。投稿者側も、視聴者が離脱しない構成や刺激的な演出を意図的に仕込むため、依存性が加速。飽きることなく、延々と見続けてしまうんです」
動画を1本見終わってもスワイプするだけで新しい刺激がすぐ得られ、従来のYouTubeのように自分で検索する手間がないのも依存しやすい点だという。
映画とは異なり、ショート動画には終わりがないのだ。我々を依存へと誘うショート動画だが、規制の見通しはあるのだろうか。
「プラットフォーム側としては、ショート動画の勢いを削ぐような対策は打ちたくないため、規制は後手に回っています。特にTikTokやXで流れる動画は、他サービスに比べて規制が緩く、刺激的なコンテンツで溢れています」
◆成長途上の子どもの脳が最も壊れる
![[ショート動画依存]で脳が壊れる](https://assets.mama.aacdn.jp/contents/210/2025/11/1764029135034_zg6dbp2gwkn.jpg?maxwidth=800)
実例として、「顔がコーヒーカップになったバレリーナ」など、AIが生成したキャラクターにイタリア語風の名前と語りを付けたシュールな動画シリーズ「イタリアンブレインロット」が、世界中の子どもの間でバズっている。
榊氏も、特に怖いのが子どもへの被害だと警鐘を鳴らす。
「本来なら学習などで脳に負荷をかけて育てていくべき時期に、ショート動画で時間を溶かしてしまうと、思考力や言語能力、コミュニケーション能力の発達に深刻な悪影響を及ぼす恐れがあります。しかも、一度衰えた前頭前野の機能は、視聴をやめたからといって100%元に戻るとは限りません」
ショート動画の視聴で自らの脳の機能を損なってしまう――。その代償は広く理解されるべきだ。

