◆全方向から袋叩きに! 悲しき“おじさん”の生態

――まず令和おじさんの“現在地”から。
レイザーラモンRG(以下、RG):令和のおじさんは“叩いてもいい”という社会的な空気があるよね。
大石浩二(以下、大石):おじさん本人も“このハゲ~”って罵られてもマジには怒らない、いや、怒れない(笑)。ギャグ漫画でおじさん以外の属性である女性・子どもをいじるとすぐ炎上してしまうのと対極です。
――SNSでおじさん叩きは、もはや大喜利のようです。
大石:そう。笑われがちな“おじさん構文”だって、実は優しさの塊ですよ。メールやLINEの文末を「了解です。」って句点で終わらせたら、若者から「冷たい」「圧を感じてしまう」と言われてしまう。だから、彼らに寄り添い絵文字を駆使して工夫しているつもりだと思うんです。愛らしくないですか?
RG:確かに! 阪神タイガースの和田元監督が不倫相手に送ったメール、「おはよ~! チュッ(笑)! まだお風呂かな?~略~」もまさに、嫌われたくない気持ちの暴発ですよね。
◆おじいちゃんのほうが凶暴?


大石:芸人さんであっても、おじさんになると見た目に気を使うものですか?
RG:そうですね、40~50代のお笑い芸人の間で、“見た目改革”に目覚めるおじさんは増えましたね。
大石:顔のシミを取ったりとか、美容芸人っていますよね。
RG:一昔前は若い芸人も「おじさん」のコスプレをして笑いを取ってたし、むしろ中年になりたがってた。志村けんさんの変なおじさんだってそう。それがいつからか、「若く見られたほうがいい」って空気になったんですよね。広告も「中年」ではなく「ミドルエイジ」って言い方に変えたりしてね。
――おじさんの醜態改善が、カネになる時代です。
RG:白髪どうするか問題で金髪にする中年も増殖中。艶が失われてパサついた金髪に老けた顔の組み合わせが……、もうザ・おじさんでしかない。あと、謎の色つきサングラスをかけている人も増えましたね。特に多いのが、朝倉未来みたいな薄い青色のサングラスをかけたおじさんね。あと、やたら太くてゴツいフレームのメガネをかける人とか。
大石:色つきサングラスは「まだまだイケている俺」の演出だとは思います。それでいうと、おじさんになると急に筋トレや格闘技を始めがち。

