いつまでも輝く女性に ranune
漫画家・大石浩二と、レイザーラモンRGが語り合う「令和おじさんのリアルな生態」

漫画家・大石浩二と、レイザーラモンRGが語り合う「令和おじさんのリアルな生態」

◆令和のおじさんは1990年代の亡霊

なぜ俺たちは歩いているだけで通報されるのか?
「SNSの新天地のスレッズでも中年同士が断罪し合っていて、おじさん魔女裁判が勃発!」
大石:ただ、若作りしても1990年代でファッションが止まってますよね。

RG:出た、シュプリームおじさん(笑)。胸の「Supreme」ロゴはおじさんの証しですよ。1990年代当時の青春の亡霊を引きずっちゃっている。キラキラしたキムタクの姿をいまだに追っているのかも。もう、キムタクが全部悪いってことでいいんじゃないですか。

大石:(笑)。あの頃の熱気が僕たちのベースになっていますよね。

RG:やっぱ1990年代が諸悪の根源ですよ。

大石:そうですね。僕なんていまだに、当時流行ってたゲームとか買い集めたりしてますから。でも買うだけ買って、やりはしないんですよね。

RG:そう、目も肩も痛いし疲れるんですよ。おじさんだから(笑)。

 ――それにしても、RGさんはおしゃれしたり、筋トレしたり、向上心のあるおじさんに厳しいですね。

RG:わかる? なんか頑張っちゃっているおじさん見ると、早くこっち側に来いよって気にはなります。でも、SNSの新天地「Threads(スレッズ)」にいるおじさんに比べたら、僕なんて優しいほう。あそこは、「オアシスの前座は〇〇じゃないとダメだ」とか、「服がナイキなのに靴がナイキじゃないのはおかしい」とか、中年同士で断罪していて、おじさん魔女裁判が起きている。

◆実は若者は優しい!? おじさん叩きの正体

なぜ俺たちは歩いているだけで通報されるのか?
「イケてる俺を演出? おじさんになると急に格闘技や筋トレを始める人も多い」
大石:冒頭で中年の生きづらさの話をしましたけど、実はおじさんが、一番おじさんに厳しいという。若いコは意外に優しいというか……いや、おじさんに興味がない(笑)。

RG:結局、おじさん同士が自分より下の存在をつくって、地獄の底で蜘蛛の糸を奪い合う状況に……。でも、オシャレとか俗なもので競って相手を見下すよりも、『プロジェクトX』に出てくる男みたいな、ひとつの仕事を極めたり、なにかに夢中になっているおじさんがかっこいいよね。

大石:はい。それに若い頃は、理想の自分と現実のギャップで苦しんだりしたけど、今はできること、できないことがわかって、それを受け入れられるようになったから楽になりましたね。

RG:僕は圧倒的に今が楽しい。心配しているのは、親をどう看取るかだけですもん(笑)。

 令和おじさんは、時代の空気を吸い込みながら、今日も猫背で歩いている。

【レイザーラモンRG】
1974年生まれ。お笑い芸人。1997年よりレイザーラモンHGとお笑いコンビ「レイザーラモン」として活動。趣味は、バードウォッチング、バイクなど

【大石浩二】
1982年生まれ。漫画家。代表作に『いぬまるだしっ』など。週刊SPA! 公式漫画サイトマンガSPA!にて、『令和のおもちゃ ウーピン』を連載中

取材・文/谷口伸仁 撮影/荒熊流星

―[なぜ俺たちは歩いているだけで通報されるのか?]―

配信元: 日刊SPA!

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