◆苛立つサラリーマン。投げた小銭が散らばり…
とはいえ、まだ行動の機序が理解できる範囲の客である。小川沙羅さん(仮名・19歳)が弁当屋で遭遇した人物は、情緒がおかしかったという。「オフィス街にあるお店なので、平日のお昼時はいつも行列ができるんです。そのピークタイムにイライラした様子のお客さんがきたんです。どうにも焦っているようでしたが、弁当を注文するやいなや、遅いとなぜかブチギレられて金額を伝えたら『早くしろよ!』と勢いよくお金を投げつけられました。いきなり怒鳴られてもうびっくりしちゃって。でも、投げた小銭がトレーから落ちて棚の下に入っちゃったんです。私の方で取り出したんですけど、さらに時間がかかってしまいました」
◆こういう人間にはなりたくない
急いでいるはずなのに、自分でタイムロスを生み出していくという矛盾。「結局その男性は、『もういい!!』となにも買わずに帰ってしまったんです。急いでいる割には無駄な動きしかしていないというか、こういう人間にはなりたくないなと思っちゃいました」
横柄な客には遭遇したものの、周りのスタッフにも恵まれていた小川さん。
「普通に接客をしていただけなのに突然怒鳴られてショックを受けてしまったんですけど、周りの先輩スタッフに事の顛末を伝えたら『よくあることだよ』と慰めてくれて。話を聞いてもらって気持ちが軽くなりました」

